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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
明日を思い生きること,
By じゅんじ (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 蔓の端々 (講談社文庫) (文庫)
自身とは無縁の世界の出来事に翻弄される人の運命を、見事にタイトルにあらわしているなと感心してしまった。大きな組織の中で、上にたつものの勝手で運命に翻弄される下にいる者達。彼ら・彼女らのしなやかな生命力の強さを感じさせるのは、乙川さんの凄さなのかなと思う。 冒頭とラストでは、登場人物の心情が随分と変わってきている。それは過酷な試練を受けたゆえであろうが、変わった自分を振り返り昔はよかったと嘆くか、明日のことを考え前向きに生きていくか。そのあたりの生きる姿勢を私たちに示してるように思えてならない。
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
正統な実力派登場,
By ぴょん吉之介(f) (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 蔓の端々 (講談社文庫) (文庫)
どなたかご指摘の通り、内容やその切なさ・どうしようもなさを、タイトルが見事に表している。懸命で、実にまっすぐで。見捨てていけないものを、やっぱり見捨てておけない。そんな主人公はまさに清冽という印象。 そして、相手の心不在の若い恋から、試練を経て人として男として成長していく姿がいい。 また、当時の女性の状況、心情、そして今でも共通する想いなどもよく描かれており、この時代小説を豊かにしている。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
乙川節を楽しめる長編,
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レビュー対象商品: 蔓の端々 (講談社文庫) (文庫)
地方小藩(この作品では3万1千石)の藩士の生き方を上から下まで丸ごと収めた1編。
「霧の橋」「喜知次」に続いて、濃密な設定と精緻な筆運びで仕上げる乙川長編の真骨頂が楽しめる。 やはり、乙川優三郎は長編に限る。 この作品では、一介の下級藩士がいつの間にか藩政をめぐる改革の渦に巻き込まれ、しかも最先鋭としてそれを成し遂げる役割を果たす。 しかし結局は兵隊は兵隊。 ここに登場する男も女も、城郭を成す石垣の“蔓の端々”に過ぎなかった。 その“蔓の端々”の生活を、時には生き生きと、また時には寂しく描くところはまさに乙川節である。 ただ、文体がくどくてちょっと読み進みにくいところがあったかなという印象。 他の作品があまりにも良すぎるので、ここでは差し引いて星4つとさせていただいた。
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