一見、絵は上手そうに見えるけど、それはあくまで「イラスト」レベルの上手さであって、「漫画」として見るとイマイチ。どのシーンも静止画のような印象で、コマ割りに伴うキャラの「動き」や「流れ」が見えない。肝心の戦闘シーンに迫力が感じられないのもそのせいだろう。またタッチや構図、背景の書き込み等にもバラつきがあって、微妙に見づらい印象の絵柄になっている。
「トキ外伝」に比べてオリジナリティはあるものの、その作者の独特なセンスによるオリジナルキャラに違和感がある上に、旧キャラの使い方が下手。自分の考えたオリキャラを目立たせたいのは分かるが、ストーリー展開に伴う「旧キャラとの絡ませ方」がなっていないので、必然オリキャラにも魅力が出ていない(六聖の一人であるユダをヘタれキャラにし過ぎ)。
ラスボス的な存在のロフウもキャラとしての人物描写がほとんど無いため、まったく魅力が感じられない。基本的に「北斗の拳」に対する愛情よりも、同人誌的な自己満足が垣間見える。
そのせいでストーリー展開も痒い所に手が届かないというか、「誰をどう見せたいのか」が伝わって来ない。レイも騒動に巻き込まれているだけで、主人公として物語を引っ張って行くエネルギーが感じられない。原作のレイってこんなキャラだっけ?と思う事もしばしば。必然性の無いお色気シーンがやたら多いのも興醒めで、「北斗の拳」の外伝を読んでいる気がしない。
南斗聖拳には分派が多いんだから、その辺で原作ではあまり語られなかった南斗同士の争いや協調、六聖を狙う勢力といったサイドストーリーも作りやすかったはず。変にお色気を絡めずにもっとハードなバトルと、ケンシロウに出会う前の餓狼のようなレイが見たかった。