私は諸事情の為、劇場に足を運ぶことができず、BD発売日を指折り数えながら待ち、ようやくこの作品を見ることができました。
2011年9月21日(発売日当日)現在、予約受付時価格の6千円台を割る状態になっております。また、DVD版の方が安くはありますが、BD版の方がより精細緻密な映像を楽しめ、特典も充実しており、おススメかも知れません。
そんな理由から選んだBD版について、まずは、DVD版と大きく異なっている封入特典の内容を具体的にレポートしてみたいと思います。
特典として小冊子が2点、付いております。
1冊目はインタビュー記事や作品の設定資料が満載の「ブックレット」(表紙・裏表紙含め60ページ)。
サイズが小さいですが、構成が絶版本
『蒼穹のファフナーメモリアルブック』に近く、なかなか読み応えがありました。
新キャラのラフ段階のスケッチや、スタッフのオフ会レポートと声優陣インタビュー、2009年段階で冲方丁氏がまとめていた本編の初期プロットが全文丸ごと掲載されています。
ちなみに、『HEAVEN AND EARTH』の初期プロットとして、
『Newtype Library 冲方丁 カドカワムック373』にも「企画草案 2009.3.20」の全文掲載があります。
が、特典ブックレットの初期プロットは「プロットバージョン 製作日2009.8.27」で、こちらの方がより完成した劇場版に近い内容になっています。恐らく、このブックレットでしか目にする事はできないでしょう。
勿論、決定稿のキャラ&メカ&フェストゥム設定といった図版にもたっぷりページが割かれています。
2冊目は、「メモリアルフォトブック」(表紙・裏表紙含め90ページ)。本作の全カットから1枚ずつ静止画を抜き出してまとめたもの。
こちらは全体のサイズのせいか、収録されている写真が、非常に綺麗なのにサムネイルみたいに小さくなっちゃっていて、ちょっと残念。
でも、作品を観た後にパラパラっと眺めると、「ああ、そう言えばあったっけ、こんなシーン…」といった風に、余韻に浸れて良いかもしれません。
あと、購入者対象イベント「真壁一騎 誕生祭」の応募ハガキが入っています。応募〆切9月30日(消印有効)。会場は大阪と東京。参加されたい方は……既に予約購入されてるでしょうから別にいいかな(汗)。
次に、作品本編自体についてですが、まず、映像の技術水準の高さに驚かされました。3DCGでぐりぐり動きびゅんびゅん空を飛び回るファフナーやフェストゥム、そして何よりも、丁寧に描かれた背景美術の美しさには圧倒されました。
また一番肝心なところですが、やはり物語が素晴しい。TVシリーズ全26話から、特別編『RIGHT OF LEFT』に連なってきた物語の流れが決して途切れる事無く、『HEAVEN AND EARTH』に連綿と紡がれ、全てがつながっているのです。
ですので、この『HEAVEN AND EARTH』をより味わうには、前もってTVシリーズ全編と特別編を合わせて視聴しておく事が望ましいと思われます。
『ファフナー』は人間群像劇でもあるので、登場人物について知識がないと面白さが半減します。また、その他の予備知識も無いと「ミール?何それ?」と首を傾げてキョトンとしている間に、折角観てもすぐに終わってしまう事でしょう。
レンタルでも、Gyao!でも、YouTubeアニメ無料動画でも、Veohでも、何でも構わないですから、TVシリーズ26話と特別編1話で「予習」をした上で、本作品をご覧になられた方が絶対に良いです。
(また、そうする価値は充分にある作品だと私は思っています。予習の段階でも相当、感動できると思います。)
私は家で、一番大きいTV(37型)にヘッドフォンをつなぎ、部屋の明かりを消して観ました。
1回だけ観るつもりだったのですが、何故か衝動に駆られるように2回続けて観てしまいました。そして不思議な事に、2回目は、1回目とは違うシーン・台詞で泣きました。
また、1回目の視聴では気付かなかった、冲方丁氏の脚本に込められていたちょっとした台詞の重みを感じてグッと来たり、映像や演出の非常に細かい凝った部分に「えっ!?」と気付いたりして、さらに何度も観てみたくなりました。
内に秘められた、不思議な「熱さ」を持った作品です。何度観ても泣いてしまうのですが、心が洗われるような涙です。
思えば、TVシリーズも終盤、畳み掛けるような勢いで一気に結実した印象がありました。この劇場版も同じく、一貫したテーマの下に結実しており、少なくとも私は、最後まで見届けた後に違和感は全く感じませんでした。
『蒼穹のファフナー』という作品が持つ、不思議な、「人の心の奥底を強く揺さぶる力」が、もっと世に広く評価されても良いのではなかろうかとつくづく感じた次第です。