まずは、どうしても表紙カバーイラストに触れておかねばなるまい。一応、今回も一部でいいから駆真を表紙に据える(添える)これまでの最低条件はクリアしている……か?槙奈が手にする小説の表紙カバーは、厳密には駆真ではない。しかし実質的には駆真と言っていいだろう。駆真にして駆真に非ずな反則ギリギリ(実はギリギリアウトかも)のところで遊び心をこれでもか!と繰り出す絵師さんの心意気に敬意を表したい。そして槇奈。この、汗を垂らしながら困り顔なところ。本来なら着るハズのないピンクゴスロリ。これが本巻の肝を充分に表している。この絵師さんは作品の世界観を完璧に把握している。さらに言えば、槙奈のイジられ具合は、実はこんなもんじゃない第7巻である。
今回の話が作品の本筋においてどれだけ重要なのか、そもそも本編は進んでいるのか。こうした疑問も沸くことだろう。しかし、今となっては本編の進み具合など割とどーでもよくなっており、エンディングの辿り着く先を知るのは作者のみという状況を大いに楽しむのが読み手の最も適切な態度となっている(仮に違っていてもその方が楽しい)。その意味で本巻では、イジられるべきキャラは徹底的にイジっておこう、むしろイジり甲斐のある槙奈をどん底に叩き込むくらいイジっておこうという作者のドS的愛情を感じざるを得ない内容となっている。とにかくイタ過ぎる過去が判明し、かしましコメディエンヌとして確固たる地位を築いた槙奈の大いなる徒労が素敵過ぎる。今回に限っては駆真が完全に脇役(これはこれで「駆真め、ワザとだな」的な態度が透けて見える面白さあり)なため、駆真の窮地(?)を救うハメになった槙奈の華麗にイタ過ぎる活躍が面白くて仕方無いのである。
ここまできたらもぅバトル要らなくね?とも言いたくなるが、こちらはこちらで相応に面白味を持たせてあり、ほぼ総出演な脇役陣の可笑しさと併せて楽しめる。今回も小ネタや小物をさらっと出しておいて、それを伏線にしながら後できっちり回収する構成の妙はさすがである。颯爽(?)と登場するキャラもいて、これが次巻で重要な位置を占めそうなオマケ付きでもある。今回も実に面白可笑しく笑える一冊に仕上がっている。