『意外と』本格な帆船ライトノベルの最終巻。
このシリーズは既存の帆船小説などを読んでいると
ニヤリとさせられる部分が多いが、
最終巻である今巻は特にその部分が多い。
たとえば、章タイトル『栄光の八月二十六日海戦』は
明らかに『栄光の六月一日海戦』へのオマージュだし、
樽の中に入っている敵の提督は
『アブキール湾海戦』で戦死した
トゥアール艦長がモデルになっているのは明らかだ。
最後に出てくる女王の長ったらしい肩書きは
エリザベス1世のものを参考にしているのだろう。
ライトノベル的なご都合主義は作中に多く見られるが、
テンポの良さを優先したストーリーは読んでいてストレスを感じない。
『ホーンブロワー』のストーリーに
『オーブリー』のユーモアをトッピングした・・・とまで言うと褒めすぎだが、
既存の帆船小説ファンにも楽しめる要素を含んだ作品だと思う。