門田隆将さんのファンなので、新刊が出るという情報を知ってさっそく購入しました。
今回は、昭和20年4月に23歳という若さで特攻に散った日系アメリカ人・松藤大治さんという海軍少尉の人生を辿ったノンフィクションでした。
300ページ近くある本なのに、日曜日の昼に読み始め、夜までに一気に読んでしまいました。途中で読むのを止めることができない迫力と感動でした。
自分は、いったい何に感動したのだろう? と、読み終わってしばらく考え込んでしまいました。
アメリカで生まれ育ち、15歳の時に初めて両親の祖国・日本の土を踏んだ松藤大治さんは、抜群の優秀さで今の一橋大学に入り、学徒出陣で海軍に入隊し、
零戦パイロットとして特攻隊員になっていきます。
何も残さないままこの世を去った松藤さんの足跡を、筆者の門田さんは、日本国内はもちろん、アメリカのミシシッピ州やカリフォルニア州など、
文字通り世界中を訪ね歩き、松藤さんがどんな思いで祖国アメリカへ特攻していったかを手繰り寄せていきます。
松藤さんの毅然とした生きざまが胸に迫り、読み進めながら、あたかも映画を観ているような思いがしました。
門田さんは、さまざまなジャンルでノンフィクションを書いていますが、私は特に歴史ものが好きです。
『康子十九歳 戦渦の日記』で戦時下の少女の思いを描き、『この命、義に捧ぐ』では、台湾を救った陸軍中将の姿を描き、
そして、この『蒼海に消ゆ』では、23歳で祖国アメリカに特攻して死んだ日系2世の思いを描いています。
それまで誰も知らなかった存在を独自の視点と取材で掘り起こしていくのが門田さんの特徴です。
私は、読み終わって、生きる勇気と感動をもらえるのが門田作品だと思っています。
松藤大治さんの生きざまは、多くの日本人に勇気を与えてくれます。
大震災の今こそ、勇気をもらえるこういうノンフィクションが貴重だと思いました。是非、映画化して欲しいです。