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20 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
遥かなるブラジル目指して,
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レビュー対象商品: 蒼氓 (新潮文庫) (文庫)
『蒼氓』ですが、そうぼう、って意味の分かる現代人はいるのでしょうか?私は分からなかったので辞書で調べました。「もろもろの民、すべての人民」という意味だそうです。内容にぴったりのタイトルです。 表題作を含め連作三編が収録されています。物語の舞台となるのは1930年のブラジル移民船ら・ぷらた丸です。作者の石川達三自身、「助監督」として実際にら・ぷらた丸に乗り組んでいたそうです。作中にも「助監督」なる人物が登場し、色々活躍(?)します。そこに注目して読むのも一つの楽しみ方かもしれません。しかし主人公はあくまでも、移民船に乗る人々、つまり蒼氓です。 戦前の作品ということになりますが、現代人が読んで読み難いということはありません。文中、これといって難解な語も出てきません。むしろタイトルが一番難しいです。 第一回芥川賞受賞作という肩書きと、難しいタイトルと、かなり昔の作品であるということで、手を出しにくいと思われがちかもしれませんが、そんなことはありません。普通に読めて普通に面白い小説です。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
エネルギーをもらった。,
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レビュー対象商品: 蒼氓 (新潮文庫) (文庫)
冒頭の、雨の神戸の描写に、暗い小説かと思いながら読み始めました。
1930年の、ブラジルへ渡る移民たちを描いた三部作です。 田畑や家財一切合財を手放して出てきたのに、病気で渡航を許されない家族、思う人と 別れて船に乗る娘、煙管を握りしめて、周りに心を開かない婆さん……酒を飲んで景気 よく踊ったり歌ったりしている男たちでさえ、どこか暗く見えてくる。 それなのに、一気に読みきってしまいました。日が経つにつれ、幸も不幸もひっくるめ て現実を受け入れていく登場人物たちの姿の、そのエネルギッシュなこと。 そして、第三部のラストの、ブラジルの日差しをあびる移民たちの姿。 階級社会、人間のもつずるい一面など、考えさせられる部分も多くありましたが、なに よりも、生きていくエネルギーをもらえる、そんな小説でした。
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