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待ちに待った『光の帝国―常野物語』の続編。しかも、あの「春田一家」が出てくるとあって、もうワクワクして読みました。時代背景から情景描写がとても詩的で美しく、読み急ぐにはあまりにももったいないので、逸る気持ちを抑えながら読み進めました。
数々の小さな出来事が、手繰り寄せられひとつの流れとなってラストに向かう様は、さすが!と今更ながら恩田陸さんの力のすごさにうなってしまいました。『光の帝国』を読んだ人にはいっそうおもしろく、そうでない人にも十分味わえる作品です。
「蒲公英草紙」は、
「他人の人生を自分の中に蓄積できる能力を持つ『春田家』を迎え、
送り出す側によって語られた物語」です。
時代は明治時代、日清戦争の勝利で軍国化が始まった日本。
福島に程近い集落「槙村」に住む少女峰子は
集落の有力者である槙村家のお屋敷に出入りすることになる。
槙村家の病気がちなお嬢様、聡子の友達として。
聡子は子供の頃から心臓が弱く成人するまで生きられないと言われていたが、
聡明で物事の本質を見通す目を持っており、誰からも愛されていた。
そんな槙村にある時不思議な家族がやってくる。
変りゆく世界と変らない思い。
運命を受け入れつつ、自分が出来ることを精一杯行う人たち。
そして、そんな人々の生き方を自分の心に引き受けて人々の心と心をつなぐ少年。
これは常野一族の来訪と旅立ちを少女の成長とともに綴った
「常野一族年代記」の1ページなのだと思う。
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