この著者、モンゴル軍を強く強力に見せたいがあまり、江戸時代に編纂された『北肥戦誌』というトンデモ本を使用して
「てつはう」の威力はすざましく、その音天地に響くだけでなく、あたるところのものは木っ端微塵となり、味方はこれのため討たれるもの数知れず、おおいに怖じ恐れて、みな其処かしこに逃げ竄れ、「大将ノ下知ヲモ不相用、更ニ戦ハントモセザリケリ」といった具合であった」P57
と新説を披露してる。で、『北肥戦誌』の記述を読んでみると、なんと佛郎機を使用した(笑)なんて書いてあるほどの、トンデモ本なんですよ。
北肥戦誌
「蒙古豫ねて日本の用心をや量りけん。件の石築地に猶二三丈が程高く、己が船に
勢楼を切組み置き、是を俄に組み立てて、日本勢の陣所を遥か目下に見なし、其頃
曾てなかりける佛郎機を放し掛けしかば、其音天地に響き、中る所微塵となり、
味方是が為に討たるる事数を知らず」
それに『北肥戦誌』は日本軍の被害は書きつつ、全体的に日本軍が蒙古軍を圧倒していたというスタンスなのに、そこはスルー(笑)
本当に「元寇」関連の本は、「蒙古軍は圧倒的でないといけない」という変なバイアスが掛かっている本が多すぎる。
『元史』や『高麗史』、『蒙古襲来絵詞』『福田兼重申状』など一次資料をちゃんと確認すれば、文永の役で蒙古軍も大いに苦戦してることがぐらいわかるもんなんだがね