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蒙古襲来 (戦争の日本史7)
 
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蒙古襲来 (戦争の日本史7) [単行本]

新井 孝重
5つ星のうち 2.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

炸裂する火薬兵器、ふりそそぐ毒矢。巨大軍隊モンゴル軍に打ちのめされた日本の武者たちの恐怖の念は、全土を神仏頼りの祈祷列島へと変えていく。幕府はこの危機にいかに対処したのか。合戦死傷者のその後までを追う。

レビュー

担当編集者より
「蒙古襲来」といえば、文永・弘安の役。教科書で見た黒い馬の鎧武者の脇で火薬が弾ける絵が浮かんできます。これは『蒙古襲来絵詞』という絵巻の一場面ですが、この武士は、九州の御家人竹崎季長で、自分が幕府に召集され、蒙古軍と戦った様子を絵師に描かせて残したといわれています。武士同士の抗争が絶えない日本の中世でしたが、対外戦争は少なく、言葉の通じない敵との戦いで、兵器・戦術、あらゆる違いについての戸惑いと恐怖は大変なものだったはずです。そして近代戦と同じく、戦闘は双方に多くの死傷者を出し、経済・文化・宗教にも大きなしこりを残しました。戦後、治らない傷跡に苦しむ武士が、都の医者に掛かろうとして九州から上京しようとしたが途中で亡くなった例、男性がほとんど揃って討ち死にした一族間の、土地相続を巡る生々しい裁判記録をはじめ、モンゴル連合軍がこの時期に押し寄せた理由から、戦争が人びとに何をもたらしたかまでを臨場感豊かに描きます。(悠)

登録情報

  • 単行本: 277ページ
  • 出版社: 吉川弘文館 (2007/4/16)
  • ISBN-10: 464206317X
  • ISBN-13: 978-4642063173
  • 発売日: 2007/4/16
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 2.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
この著者、モンゴル軍を強く強力に見せたいがあまり、江戸時代に編纂された『北肥戦誌』というトンデモ本を使用して

「てつはう」の威力はすざましく、その音天地に響くだけでなく、あたるところのものは木っ端微塵となり、味方はこれのため討たれるもの数知れず、おおいに怖じ恐れて、みな其処かしこに逃げ竄れ、「大将ノ下知ヲモ不相用、更ニ戦ハントモセザリケリ」といった具合であった」P57

と新説を披露してる。で、『北肥戦誌』の記述を読んでみると、なんと佛郎機を使用した(笑)なんて書いてあるほどの、トンデモ本なんですよ。
北肥戦誌
「蒙古豫ねて日本の用心をや量りけん。件の石築地に猶二三丈が程高く、己が船に
勢楼を切組み置き、是を俄に組み立てて、日本勢の陣所を遥か目下に見なし、其頃
曾てなかりける佛郎機を放し掛けしかば、其音天地に響き、中る所微塵となり、
味方是が為に討たるる事数を知らず」

それに『北肥戦誌』は日本軍の被害は書きつつ、全体的に日本軍が蒙古軍を圧倒していたというスタンスなのに、そこはスルー(笑)

本当に「元寇」関連の本は、「蒙古軍は圧倒的でないといけない」という変なバイアスが掛かっている本が多すぎる。
『元史』や『高麗史』、『蒙古襲来絵詞』『福田兼重申状』など一次資料をちゃんと確認すれば、文永の役で蒙古軍も大いに苦戦してることがぐらいわかるもんなんだがね
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ishilinguist トップ500レビュアー
形式:単行本
 蒙古襲来には「鎌倉武士は一騎打ちでのぞんだ」「神風が救った」などと「神話」が多く、意外に厳密な学術的研究は十分なされているとは言い難い部分があった。本書は近年の日本史、東洋史、航海技術史の観点を総動員し、あくまで実証的・合理的に二度の戦争とその後の影響について浮き彫りにしていく。
 モンゴル、宋、高麗、朝廷、幕府の思惑や利害が入り乱れる中、二度にわたって大軍が日本列島に押し寄せる。一度目は様子見であったのですぐ引上げ、二度目は暴風雨によって撃退されたと本書は結論付ける。
 また本書の新味はまず船構造にページを割いている点だ。戦の様子がビビットに想像できる。幕府の外交センスの欠如、その後の戦勝の「神頼み」などがのちの建武の新政につながっていく過程がよく理解できる。
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11 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 古本屋A トップ1000レビュアー
形式:単行本
このテーマでは過去にもいろいろ面白い本が出ているのだが、本書は以前より事の実態に迫っているような気がする。以前から言われている「てつはう」の威力は、音だけではなく、相応の実害があって、火器の無かった当時としては突出した影響があったことが分かる。元軍の弓が、素人でも命中率が高いものであったのに、日本のそれは熟練者が必要であったこと、元軍は一様に装備していたが、武士は家長など一部の装備で従者は裸同然・戦闘の心得も乏しいなど、従来「集団戦と一対一の戦闘方式の差」と表記されていたことが、もっと具体的な形で描かれていた。それにしても、元軍は、壱岐では男は全員撲殺、女の手に穴をあけて引きずったというのだから、家畜生活国家らしい残虐さだし、逆に、弘安の役で台風で一網打尽になった元軍をなぶり殺しにする武士団も獰猛そのものだと思う。文永の役で圧倒的に勝った元軍が急に姿を消した、という不可思議な事実に就いては、「脅し」の意味の戦闘で、開国への外交交渉のステップだったとする著者の見解は面白いと思った。たしかに元軍も足並みが揃わなかったのだろうが、だからといって一瞬にして姿を消すことは無いと思う。でも、なにぶん近代化以前、それも遠い彼方の中世の話であって、元軍が組織だっているとか、装備が一様、とかいっても、程度は知れていると思う。近代官僚制の出現以前に、近代の軍隊のような統率や均一性があったとは想定しにくい。人数も万や十数万の単位を簡単に表記するが、相当期間コンスタントにそんな人数を維持する食糧供給があったのか大いに疑問だ。
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