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蒙古襲来―転換する社会 (小学館文庫)
 
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蒙古襲来―転換する社会 (小学館文庫) [文庫]

網野 善彦
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

二度にわたるモンゴル軍の襲来は、鎌倉幕府にとっても、御家人・民衆にとってもこれまでにない試練だった。幕府内部の権力争いは激化し、天皇とその周辺も幕府打倒へと動いた。農村・漁村・都市の分化など、社会も大きく動いていた。
古代から中世にかけて、「遍歴する非農業民」の存在を重視する著者が、新視点で切り込んだ新しい中世像。

内容(「BOOK」データベースより)

二度にわたるモンゴル軍の来襲は、鎌倉幕府にとっても、御家人・民衆にとってもこれまでにない試練だった。幕府内部の権力争いは激化し、天皇とその周辺も幕府打倒へと動いた。農村・漁村・都市の分化など、社会も大きく動いていた。古代から中世にかけて、「遍歴する非農業民」の存在を重視する著者が、新視点で切りこんだ新しい中世像。

登録情報

  • 文庫: 614ページ
  • 出版社: 小学館 (2000/12)
  • ISBN-10: 409405071X
  • ISBN-13: 978-4094050714
  • 発売日: 2000/12
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 白頭
形式:文庫|Amazonが確認した購入
かつて小学館で出版された「日本の歴史」シリーズ(全32巻)の中の
1冊を独立出版したもの。元寇前後から鎌倉幕府滅亡、後醍醐期迄が主な
範囲。社会構造や権力絵図は勿論、精神的な「形而上学」のレベルで大きく
転換を見せた時代を取り扱っている。
まず言っておくべきことは、読者が中世史をこれから学ぼうとしており、

概論的な通史を期待しているならば、本書は全くもって向かないだろうと
いうことだ。
なぜなら、教科書的な基本的事項や、従来の通説位は、ある程度わかって
いるという前提で書かれているからだ。全編にわたり著者自身の中世論で
彩られた一冊である。一般的概論ならば、古くなったが中央公論「日本の
歴史」シリーズの方をおすすめする。

巻頭いきなり「飛礫」に関する論考ではじまる。著者の著作になじみのな
いものには唐突に感じられよう。言うまでもなく彼の近親である中沢厚の
『石にやどるもの』『つぶて』を意識してのものだ(ちなみに中沢厚の息子
が宗教学者の中沢新一であることは有名)。宮本常一も関係した常民文化研

究所にも関わっていたこと。定住的・農耕的な史観に対置する形で、周縁
的な剥き出しのエネルギーの行方や、人々と場の重層的な繋がり、とりわ
け、15世紀以降、顕著に蔑視され始める職能民と天皇制との関わりへの
眼し。本書でも「網野史学」がいかんなく炸裂している。

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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 本書の元本の初版は、1974年だそうです。この時点
で既に、供御人を中心とした非農業民や強盗などの悪
党と海賊、後に網野史学と呼ばれるものの主役、脇役
達が顔を揃え、同時に東国と西国、未開と文明、無縁
や公会などその主要なモチーフも記述されているのに
は、驚きました。
 その頃のわたしは、しきりに色川大吉、安丸良夫、井
上幸治などの諸氏の民衆史と呼ばれる著作を読んでい
ました。それは今思えば、講座派やウエーバーの焼き直
しに過ぎなかったのでしょうが、当時はそれが人々の顔
の見える歴史学に思えたのです。まさしくその時に、そ
れらを丸ごとひっくり返してしまおうという学問が胎動し
ていたとは、夢にも思いませんでした。
 それはともかく、そのような余剰分を除いても、中世世
界の矛盾(この中身が、必ずしもはっきりしないのがもど
かしいのですが)を動因として、幕府、公家、寺社が相
互に浸透しながら、それぞれに転換していくダイナミズ
ムの叙述は、読み応えがあります。それは結局、著者
が(本人は不本意でしょうが、)歴研の流れを汲む「真
当な中世史家」(色川大吉「網野善彦と『網野史学』」)
だったからだと思います。
 最後に、小路田泰道の追悼文(「網野史学に立ち戻
る」)の一節を掲げて結びとします。

 網野史学に戻る価値はあるのだろうか。ある。(中略)
そこに唯一、この国の歴史を西洋史のように描かなかっ
た、深い自己省察をもとに描いた、お手本があるからで
ある。この国の歴史学を初めて科学にする扉が、そこに
開かれているからである。
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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
一篇の叙事詩 2004/9/17
By ib_pata VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 蒙古軍敗北の一因が「専制的な強制によって建造された船、とくに江南軍の船は、中国人の船大工が手を抜いたといわれるほど弱かった」(p.293)というのも面白かった。そして網野さんは「この外寇が、一夜の暴風によって終わったことは、はたして本当の意味で、日本人にとって幸せだったろうか」「不徹底な結末は神風という幻想を遺産としてのこし」「七百年前の偶然の幸せに、つい五十年まえまで甘えつづけていた」のだから、と疑問を呈する(p.295)。

蒙古襲来時の執権、時宗は夭折したが、その原因は有力者安達泰盛と平頼綱の対立による心労ともいわれている。時頼の「撫民」政策を強力に推し進めようとした安達泰盛は「弘安の徳政」と呼ばれる政治を行おうとするが、鎌倉武士お得意の内輪もめによって、平頼綱によって滅ぼされ、またその頼綱もヤル気のなさを嫌われて殺されてしまうという血塗られた歴史の中で、得宗独裁が強まる。しかし、それは権力者の弛緩を生み、やがて14代高時で滅亡を迎えることになる。

まさに一篇の叙事詩。

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