この本の上・中巻では、プラントベースでホールフードの食事に変えることにより、種々の病気から解放されることが明らかにされた。この下巻では、まず、食物、健康、病気に関する八大原則を示し、それにより、種々雑多な情報に振り回されることなく賢明に生きることができると言う。そして、健康に関する正しい情報が伝わらないのは何故かを明らかにしている。
著者は、全米科学アカデミーの公衆栄養情報委員会の委員となり、ガン研究についての第二の『マクガバン報告』を推奨することになると期待していたが、最初からその期待は大きく裏切られ、いろいろな段階で正しい情報が歪められたり、葬られることを経験した。健康を推進する立場の政府の委員会も様々な業界の意向に従う学者達に占められており、業界の意向に反する事実は隠され、少しでも有利な事実は誇張して伝えられてきた。著者は、その具体例を生々しくいくつも示している。
また、医療の世界も、健康と食事の関係に注目する医者が少なく、利益の上がらない治療法ということで、薬や手術に頼らず食事で病気を治そうとする著者らの運動は理解されないでいた。著者は、政府、産業界、医療界の癒着を厳しく批判する。そのようにしっかりでき上がってしまった体制は変えられないものかと、悲観的になってしまう。
今の情報社会では、現状で大きな利益を得ている勢力が、マスコミ、政府の機関等を使い非常に多くの誤った情報で真実の情報を覆い隠そうとしている。真実は単純なことだ。プラントベースでホールフードの生活に変えることで、多くの人々の健康が守られ、多くの動物の命が全うされ、地球環境が破壊を免れることになるということだ。そのような食事に変えることで種々の病気を克服した人々が増えて、インターネットで世界中に広まることになると、いずれある時点で大きな変化が起るのではないかと期待される。