林真理子氏の最高傑作にして、青春小説の最高傑作です。
青春とは夢を見、夢破れて傷つくこと。
そんな青臭いテーマを見事な話に仕立て上げました。
舞台は林真理子氏の故郷山梨。
自らの高校時代をモデルにした話です。
愛することと愛されること。それが人生の一番の関心事だった頃の話。
主人公達の話す山梨弁が懐かしさとリアリティを醸し出しています。
ラスト、大人になり成功も手にいれ東京という華やかな街で出合った主人公と同級生岩永。
夢ではない本当の恋愛も経験し、昔のように些細なことで傷つくこともなくなった二人。
高級なフレンチレストランで臆することなく食事をし、高校生時代のやんちゃを忘れたかのように大人の会話を交わす。
これから読まれる方のために詳しくは書きませんが、その時に発する岩永君の言葉が素晴らしい。
そして誰もが大人にならなければならないことの残酷さ。
ラストは思わず涙してしまいました。
懐かしいアルバムを久方ぶりに開いて、ああこんな頃があったんだなあと溜息を吐いて再びアルバムを閉じる。
そんな思いにさせてくれます。
必読の作品です。