良くも悪くもいかにも学者が書いた本という感じで、比較法や理論面の解説に詳しい一方、裁判例については極めて簡単にしか触れられていない。著作者人格権と著作者財産権の二元論に忠実で、そこから演繹的に結論を導いている箇所が多く見られる。具体的な解釈論に関心があるなら田村善之「著作権法概説」(有斐閣)、立法の動向に関心があるなら作花文雄「詳解著作権法」(ぎょうせい)、学術的関心なら本書、と目的に応じて使い分けるのが良いだろう。なお、パロディは日本の「精神風土」に馴染まない旨の記述があるが、独断的にすぎ、学問的検証に耐え得るものとは思われない。