これは編者がまえがきでも語っているように、
著作権保護期間の延長(著作者の死後50年を70年へ)
に懐疑的な方々の論文集だ。もう一つ特徴的なことは、
(クリエイティブな世界では絶対お目にかかれない)
「経済的な側面」から考察している点だ。
いずれのポイントからも、本書は成功しているといえる。
観念的に(情念的に!?)延長を声高に叫ぶ権利者側に冷水を浴びせかけているからだ。
「欧米が70年になったから」程度の軽い気持ちの人にも警鐘を鳴らしている。
この本を一読すると「なるほど50年のままでいいんじゃない」と思えてくる。
だが、待てよ、本当にそうだろうか。欧米とずれが生じるのはよくない。
これは特許の時に痛切に感じたことだ。
「そもそも死後50年であるのはどうしてなのか?」
極論すれば「死んだら消えて亡くなってもいいのではないか!?」
よく考えると解らなくなる。他所がこうだから、はいかにも危うい。
50年→70年論議は、いったん小休止になっている。
そこで出たこの本はいかにもタイムリーだ。
70年としたがっている権利者は、頭を冷やす意味でも一読すべきだ。
まあ、最後まで読み通すには、かなり怒りを抑える必要はあるが…