コンテンツが共有されるプラットフォームが、印刷物やアナログの時代からデジタルへと移行するにつれ、「著作権」で守られるコンテンツの防衛線やそれを巡る攻防の在り方も変わってきた。本書では、そのように環境が変わる中、コンテンツの独占と共有のバランスがどうあるべきかを読者に投げかける。
著作権をめぐる攻防戦が副次的に持つ、創作活動、ビジネス、延いては我々の生活への影響が、簡潔ながら豊富な事例の紹介とともに解説されており、楽しく読み進めることができた。例えば、ハリウッド映画等に見られる「関係者の権利を事前に買い取ってしまう」モデルは、多次利用を容易にするという観点で望ましく聞こえるものの、事前買い取りが初期投資費用を高め、大衆ヒット狙いの作品が求められやすくなってしまう等、示唆に富む事例が散りばめられている。
法律家であるにもかかわらず(もしくは法律家であるからかもしれないが)、一部のグレー領域をも認める「やわらかい」視点から著作権の未来を考えていくべきとする著者の視点には好感が持てる。