少々高いなあと思ってはいたけど「でも!」と思って買いました。買って良かった・・・。圓生師匠の高座に間に合ってない私としては「圓生さん、お会いしたかったです。でも、こうして拝見できるだけで幸せです!」という想い。今までCDはいろいろ聞いてきたけれど、姿が見られるってこんなに幸せなことなんだ、としみじみ思いましたね。正札付の出囃子が鳴ってから座布団に座るまで、お辞儀をして湯飲みをぐっと引き寄せる仕草といい、真打の品格ってこうでなくちゃね、と思わせてくれる。
印象的だったのが「がまの油」。なんと、亡くなる四日前の映像。この下巻は78年、79年というまさに完成された圓生が堪能できるが、79歳にしてこのかくしゃくとした姿と記憶力。客席の様子を伺いながらまくらを話す余裕も素晴らしい。「豊竹屋」ではその義太夫の語り口調に客席からも「うまいッ!」という声が飛ぶほど。「文七元結」では多数の人物を演じ分け、時間経過を演じ分ける。「居残り佐平次」での扇をパッと開き、パチンと閉じる仕草もステキだった。今回、「水神」を初めて聞いたのだが、いわゆる「新作」ではない上品な噺に聞き終わって、見終わって「すがすがしい気持ち」になれました。
このバランス感覚で、昭和の名人の名に本当にふさわしいのは六代目圓生だと信じて疑わない。真似をすることと近づくことは違うことのはず。七代目襲名の話題も多いが、それにふさわしい方が圓生の名を継いで守って欲しいと、個人的には思う。「六代目が素晴らしかったけど、七代目もいいねえ。やっぱり圓生は別格だねぇ」、そう言ってみたいのだ。