十数年前、LDで、円生の落語研究会の映像は24席市販されたことがあり、その後、ビデオ等の発売もありましたが、遂に今回、DVD上下巻で、研究会の映像52席+TBSのそれ以前のビデオより5席が発売されることになりました。私は今回のDVDの映像は、TBSの「落語特選会」や、やはり十数年前に放送された「おはよう名人会」も含め、8割方、見たことのある映像ですが、このように集大成されることを何年も待ち望んでいました。今回の発売はまさに最高の喜びです。この落語研究会の映像は、もともと放送時間の制約がない為、たっぷり演じられているものが多いのが特長です。六代目三遊亭円生は、まぎれもなく昭和落語界の名人のひとりであり、今の落語家にも少なからぬ影響を与えている人ですので、このDVD集の商品化は非常に価値があり、貴重な国宝級の映像集だと思います。TBSは本当に偉い。今見てもちっとも古さを感じさせず、出来不出来の差のない高座振りは、素晴らしいの一言です。
今回の上巻では、円生師65歳〜75歳の31席で、文楽全集と同様、音声も完全ノーカットで安心しました。特に白黒のものは若々しさに溢れています。どれをとっても十八番といっていい演目ばかりで、何回も見直したい映像ばかりです。特に私の好きな演目は、「五人廻し」「鰍沢」「引越しの夢」「木乃伊取り」「火事息子」「鼠穴」「猫定」「文違い」「庖丁」「掛取万歳」「なめる」「蛙茶番」「三年目」などですが、まだ未見の「一文惜しみ」「中村仲蔵」「らくだ」なども興味津々です。特に「らくだ」の映像が残っていたことは、個人的には、飛び上がるほどうれしいことでした。いずれにしても全落語ファン必携の逸品であると確信します。願わくば、まだあると思いますので、演目が重複しても別巻として全て出していただけないものでしょうか。