若い人向けに書かれているせいで、語り口はとてもやさしい。
しかし落語の本質を、実演家ならではの視点できちんと捉えている。単に易しいだけの入門書とはひと味もふた味も違うところだ。
実は内容を読みながら、そんなことは知ってるぞ‥‥と思ったことが何度もある。よくよく考えてみたら、私は若い頃、米朝師匠の生の講義(落語についての勉強会のような)を聞いている。この本に書かれていることは、結局あの頃米朝さんが考えていたことなんだなぁと懐かしく感じた次第(ン十年前のことです)。
巻末に小沢昭一が書いているように、これは「芸能実演家にとっても必読の書」だろう。
ただし一般読者は、まず生の落語を聞きに行くべし。それが先決だ。