最初にちょっと困る事を一つ。元ネタ解説が無いのでリアルな情報とアンリアルな情報の区別がつけづらい。全部まとめて神話作品であると解釈するべき本。実際ラブクラフトは神話の創造者ではなく紹介者、あるいは作家型探索者の一人として扱われているところもあるし、栗本薫は『彼』で扱われている。
大前提として、本書はあくまでも神話世界の中の地球上の場所案内である。宇宙とか夢の国とか地下世界とか滅んだ大陸とか、そう言う部分はカットされている。
もうひとつの特集が魔導書解説で、こちらは総合型の本より幅広く紹介されている。
邪神や奉仕種族、クリーチャーに関しては皆無であり『萌え萌えクトゥルー神話辞典』とセットでかなりの範囲をカバーできるだろう。
最近学研が出した東雅夫のコンビニ本『クトゥルー神話FILE』は原点回帰的な物で日本産神話は意図的に排除されたが、本書はそのコンセプト上むしろ積極的に日本産の設定を紹介している。プレラーティズ・スペルブックにも触れられているのは驚き。
表紙の広江礼威を筆頭に神話作品に係わりのあるイラストレーターを配置している。その他、友野詳をキーパーとするクトゥルフTRPGのセッションリプレイのダイジェストが収録。
・されているのだが、そのページ数僅か6ページ。漫画家COCO・森瀬繚・ニャル子さんの逢空万太(PC名はヤサカ)・声優池澤春菜と言う、FEARの企画するリプレイ並みの超豪華なメンバーを集めたリプレイがたった6ページ? 贅沢なのかモッタイナイのか。あとクトゥルフTRPGリプレイで6ページって言ったら各キャラの死にざまを紹介するしかなくなるわけで内容は推して知るべし。
イラストはあんまり参考にはならないけど中身は一級品である。