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5つ星のうち 3.0
ニューエイジ文化とマンガ文化のリンケージ,
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レビュー対象商品: 萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか (単行本)
タイトル名から、“アメリカのマンガの現在”をオタク的に分析した書物だと思ったが、予想が外れた。二十年前、彼の地に、日本のマンガをはじめて本格的に持ち込んだ当事者による回顧録である。で、予想は外れたんだけど、予想外に面白かった。ある種の成功物語なんだけど、こういう古いタイプの読み物こそ、今、新鮮なんじゃないかと。やっぱどんな文化もビジネスも、人であり、人の歴史であり、人と人の交わりであり、っていう。この本を読んで「北米へは、マンガよりもアニメのほうが二十年以上早く上陸していた」「二十年前には『マンガ』の市場規模はほぼゼロだった」「現在、アメリカで売られている雑誌のうち、87パーセントが定期購読」「国民の四人に一人は、自分の名前程度しか読み書きができない」といった様々な事実を知ったのだけど、もっとも興味深かったのは、著者や著者の仲間らが、70年代のニューエイジ・ムーブメントの影響下にあった若者たちだったということだ。ヒッピー文化、ニューエイジ文化、カウンターカルチャーの水脈が、日本を飛び出した若者たちによって、こんなところにつながっていたのかって言う驚き。そして、一旦は日本を捨てたはずの著者が、彼の地で日本由来のマンガをビジネスとすることで、「日本の魅力とは、この国のおおらかさや曖昧さから生まれる美しい柔軟性」と、みごとに本質を突いているであろう(もしくは、今の日本人が見失ってしまった)日本観を持つに至ったことにも、なにか、とっても感激してしまうし、勇気付けられる。彼の地に渡ったからこそ日本が好きになったり、日本が好きだからこそ海外に出て日本を伝える、ってことに対して、ものすごく可能性を感じてしまうのだ。
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
実はサクセスストーリー,
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レビュー対象商品: 萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか (単行本)
てっきりアメリカのオタクの話かと思いきや、
日本のマンガをアメリカで売ったビジネスマンの サクセスストーリーなのであった。 ともすれば現地のコミケのような 「絵になる」報道しか日本ではされない中、 アメリカへの日本マンガ文化普及の一端が (アネクドータルなものであるとしても) その歴史とともに伺えて大変興味深かった。 著者は現在サンフランシスコで日本映画・ アニメ専門の映画館を企画中と書かれている。 私もそうであるが、外国にいればいるほど 日本人であるというアイデンティティを 強く意識する日本人は多い。 マンガをスタートとして、本書が軽く 日本論にまで踏み込んでいる流れは 読んでいてとても共感できる。
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
要は、ヒッピーが高橋留美子に救われる話です,
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レビュー対象商品: 萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか (単行本)
本書は著者の堀淵さんの自伝であり、小学館・集英社の米国マーケットへの果敢な挑戦伝です。
内容を正しく示すタイトルは「私および小学館はいかに米国でMANGAビジネスを立ち上げたか」だと思います。 本書では、米国のMANGAファンは販売戦略上の顧客ターゲットとして語られているのみで、 個別のファンの嗜好、心理の変遷等までは、踏み込んではいません。 従って米国人MANGAファンの貌(かお)は見えてこない部分はありました。 あくまでマクロな視点からの米国人ファン論にとどまっています。 「米国人はいかにMANGAを読むようになったか」というタイトルは、 むしろ現在発売中の「オタク インUSA」のサブタイトルにふさわしと思います。 じゃあ、本書はつまらないかと言えば、全然そんなことはありません。 時代の捉え方、ビジネス上の成功・失敗等、すごく面白いのです。 米国のコミック業界事情に始まり、黎明期のMANGAに関わった人たち、流通事情、翻訳の困難さなどを、堀淵さんが当事者として語っています。 その苦闘と最後の勝利は、まるで少年ジャンプのストーリーのような成功譚です。 本書で特に印象に残ったのは、 初期のMANGAビジネスに関心をもった人々は、 堀淵さんも含め、カウンターカルチャーの影響下にあった人たちだったとこと。 要するにヒッピーだったということと、MANGAビジネスを救ったのは高橋留美子だったという著者の感慨です。 絶対に受け入れられないと言われた地点から、米国出版市場における唯一の急成長分野に至る、現在までの、MANGAの貴重な記録だと思います。
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