中西部からニューヨーク郊外のロングアイランドのウェスト・エッグに越してきた。対岸のイースト・エッグにはニックの従兄妹、デイジーが夫のトムと住んでおり、デイジー宅を訪ねたニックは、そこでニックの隣に住む豪邸の主人、ギャツビーの噂を耳にする。ギャツビーは夜毎にパーティーを催すが、決して自分はパーティーに参加しないミステリアスな存在だった。・・・
1920年代の上流階級の享楽的な生活が、随所で再現されています。華麗なファッション、クラシックカー、豪邸、パーティーではしゃぐ若者達。トムの情婦のマーラの貧しい生活や、眼科の看板など、原作が見事に映像化されています。主人公ギャツビーを演じるレッドフォードは、ピンクのスーツもパリッと着こなしていて、惚れ惚れしてしまいます。ただ、彼のギャツビーは品が良くて、「過去に人を殺した」という噂がそぐわないような気がしました。台詞の「愚かで美しい女」という言葉がぴったりのミア・ファロー、愛人トムへの執念を感じさせたマートル役のカレン・ブラックなど、それぞれの人物像にぴったりのキャスティングだと思いました。
数年かけて富を手に入れたギャツビーは、本当はただ1人の女性を想い続けた一途な男。そんな彼を取り巻く世界はあまりにもだれていて、退廃的で、観ていて切なくなって憤りでさえこみあげてくる。それでも画面に釘付けになってしまったのは、数年ぶりの再会を果たすのに、気合を入れてセッティングしたり、まるで初めてデートをする少年のようにそわそわしたりする、ギャツビーの純情な一面のせいかも。まるで昼メロを観ているようにやりきれない気持ちが残る映画ですが、フィッツジェラルドの原作が上手く活かされている作品だと思います。