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華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106)
 
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華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106) [文庫]

レイ・ブラッドベリ , 宇野 利泰
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登録情報

  • 文庫: 288ページ
  • 出版社: 早川書房 (1975)
  • ISBN-10: 4150401063
  • ISBN-13: 978-4150401061
  • 発売日: 1975
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (22件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 149,918位 (本のベストセラーを見る)
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26 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 SFが描く普遍的問題, 2008/12/15
By 
倒錯委員長 "今田祐介" (横浜市と夢半ば) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)   
深く思考すること、および知識を蓄積することは許されない。したがって、本の閲覧も所蔵も重罰に処せられる社会。許される娯楽は、刹那的な快楽の享受を約束してくれる<<テレビ>>の視聴とその中の<<家族>>との対話のみ。没収された本はすべて焼き尽くされる、そこに書かれてある内容とともに、華氏451℃の業火によって。
主人公モンターグは、書物を見つけ次第火炎放射器で焼き尽くす当の焚書官ではあるが、不思議な少女クラリスに出会ったことで、物事を「なぜ?」と疑ってかかる思考を取り戻す。そして本を一掃する自分の仕事、本を憎み焼き尽くす社会をごく当たり前のものとして受け入れていた彼の世界観にもほころびができてきて・・・。

レイ・ブラッドベリがSFを通して描き出すのは、まるで想像がつかないような遠い世界のようで、僕らの間近に迫っている問題のようにも思える。それは荒唐無稽なようで、僕らの生きる社会のゆがめられた戯画でないと誰が言えよう。
情報がその内容の質ではなく、膨大な量で計れるこの時代は紛れもなく情報過多である。
しかしそれら情報によって、僕らはより優れた選択をさせてもらっているというよりも、その情報のインフレーションの中で何も考えられない迷い子にはなっていやしないだろうか。そうだとすれば、パソコンのモニター画面に没頭する僕らは、<<テレビ>>に夢中になるミリーたちとなんら変わりない。

老教授たちが諭すとおり、答えは書物や情報の中にすでに収められているわけでは決してない。
あるのは答えでなく手段であり、あくまで僕らは自らの答えを、その思考をもってして紡ぎ出さなければならないのだから。
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 未来を見つめる目, 2007/6/13
レビュー対象商品: 華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106) (文庫)
真実をつぶし、心をつぶし、見たくないものにはふたをする。

明るい未来なんて夢の彼方。

そんな監視と制裁につつまれた世界は見ているこちらを憂鬱にさせ、また同時に自分たちの世界との類似にぎくりともする。

未来を批判的にとらえた、ディストピア的な小説大作といえば、ジョージ・オーウェルの「1984年」がそうだが、オーウェルが徹底的に悲惨だったのに対して、ブラッドベリは何かしらの希望の余地を残してくれる。

印象的なのは、無機質な世界を反映した文章の中、はっとするような花の描写や自然の描写が入ってくるところ。

この目線の移行が、主人公の心の変化でもあるようで、ビルの中を歩いていてふと空の青さに気づくような、そんな気持ちになれる。

未来観、技術うんぬんへの批判はあるだろうが、いつだってSFを読む楽しさは、フェイクの中に真実の欠片を見出すことにある、と私は思っている。

未来世界は希望に満ちているとはもはや思えない現代だが、だからといって、悲観一辺倒の絶望主義にもなりたくない。

ブラッドベリの未来をみつめる目は、そんな感じではないかと思う。
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28 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 書物のない世界・・・詩人の未来予測, 2003/9/17
レビュー対象商品: 華氏451度 (ハヤカワ文庫 NV 106) (文庫)
書物を読むことは罪悪である。発見されると、本とともに人間までもが焼却される。異様な未来世界の物語。しかし、ブラッドベリの詩人としての透視力は、約50年前に書かれた小説の紙背から、現在を透視している。情報化社会に生きる私たちは、携帯電話とゲームによって、書物とそれを読む人々を、日本から静かに確実に消却しているのではないだろうか?ふと気が付くと、近所の新刊書店は閉店し、新古書店の棚は、がら空きになっている日が、来ているのかもしれない。
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