原題は「ミレニアムモンスター(新世紀のモンスター=日本の玩具を中心としたカルチャーの意)」です。
邦題は御覧の通り『菊と刀』の…ですが、あちらはアメリカ人による日本の文化を論じたもの。こちらは
日本文化がアメリカに浸透する理由を探った本、ということで全く立ち位置は異なります。
日本のオタクカルチャー(戦後の玩具やアニメの歴史を振り返って)の概要を確認した後、本題である何故
パワーレンジャー(オーレンジャーのアメリカ仕様)→セーラームーン→たまごっち、そしてポケモンが
アメリカで受け入れられたのかを説いています。
この間、約10年。それまでアメリカはハリウッドとディズニーに代表されるように、アメリカは娯楽面に
おいても世界の中心です。つまり、他所の文化(ポップカルチャーを受け入れることはありませんでしたし
事実、必要としていなかったのです)。
が、著者の言を借りれば、今やその軸の一部は日本のポップカルチャーが担っていると。そこに日本的な
ものは無い(感じられないのに)日本印、ということでアメリカ(世界)で受け入れられようになったとも。
それは何故なのか?これを種明かししてしまうと読む意味が無くなるので、本編で確認下さい。
日本のソフトが受け入れられる過程に、文化論や社会論、はたまた資本主義の思想(たまごっちや
ポケモンは資本主義を説いているとも)まで盛り込んだ意欲的な一冊。ソフトパワーの威力を確認するに
役立つ一冊です。