菅直人元総理の学生運動時代から、民主党政権交代前(福田政権誕生頃)までの政治活動及びその理念のオーラルヒストリー。
内容の大半は、菅氏の著作である「大臣(増補版)」と重複する。
それに加え、菅氏の政治資金の調達方法や人脈(特に外国人)については全く語られておらず、拍子抜けする。
ただ、本書を読み解いていくと、菅直人という政治家、全体をマネージメントするよりも、テーマを持ち、そのテーマの問題提起をする、また、自民党の中で政権に近づくよりも、野党として政権交代を計ろうというする政治家であることがわかります。
ただ、「大臣(増補版)」と同じように、政権交代前に、菅氏というあまりにもポリティカルヒューマンの本だと考えれば、政治的宣伝の本ということで、どこまで本当のことか、ちょっと信じることはできない(資料としての価値がない)とも言えるのかもしれません。
とは言え、選挙がいかに政治家にとって重要事かということが、本書を読んでいると痛いほどわかります。
また、党の運営(少数政党よりも大政党の方が運営が楽)や菅氏の人格(仕事量が多くなると当たり散らすなど、ストレスに弱い)については、「大臣(増補版)」よりもよくわかります。
また、菅氏は常に洋物思想や制度を取り入れようとしており、日本の実情から適正なシステムを作り出そうという意欲も能力もないことがよくわかります。そして、結果的には、菅氏が理想とするアメリカ型のスポイルズ・システムもうまく行かず、批判されながらも族議員中心とした自民党の政策過程の方がよかったのかもしれないということを考えさせられます。