「円高・デフレ時代の家計防衛術」というタイトルだけを見て入手しました。
欧州債務危機や株価下落となっているような現在(2012年1月)なので、貯蓄や投資配分等を見直そうと思っていたのが本書入手の背景です。
本書が進言する「家計防衛術」の考え方は次の3点です:
(1)年収を増やす
(2)家計の無駄を削る
(3)現金を貯めて減らさない(投資はしない)
本書の構成ですが、目次を除いて全170頁。
その内訳は次のとおりです;
・最初の114頁は「円高が起こっている経済的背景」と「給料が増えない原因は、本当に円高なのか」といった検証
・最後の56頁分で「家計防衛術」に直接言及。
まずは現在の円高までの経緯が説明されます。
その後、「円高が理由で給料が上がらない(あげられない)というのはウソ」で、「円高であろうとなかろうと会社が利益を上げようといまいと、社員の給料は上がらない仕組みに日本の会社が変わってしまった」という主張になります。(ここの「」内は本書からそのまま引用)
そして円高ではあるが輸入物の値段は下がらない(理由は本書お読みください)なか、デフレでなんとか物価が安く保たれている。その間に先に書いた「家計防衛」を行え、という内容です。
さて感想です。
まず、最初の経済状況は簡潔に纏められておりさっと読むには良いと思います。
次の「給料が増えない」理由の著者主張に、名目GDPが増えていない点などに言及がないことが気になります。単に「新会社法のもとでは、企業は給料をコストとしてしか見なくなったので、増えない仕組みになった」と結論付けるのはいささか強引さを感じます。
そして本論のはずの「家計防衛術」ですが、冒頭の(1)〜(3)の考え方のもとで紹介されている術―「夫婦共働きで年収を増す」「所得の10%は先に貯蓄にまわす」「家計簿をつける」「固定費を見直す」等々―は、ごくごく一般的で至極当たり前なものでした。
つまり円高・デフレ時代特有のものではありません。本書の67%ほどを経済的背景の説明に費やしているわりには、あまりにも一般的な内容であったため、かなりの「期待はずれ(がっかり)」でした。
ただし、ここから学ぶべきことは、「特殊な家計防衛方法など無く、基本に忠実に家計をマネジしないといけない」ことかと存じます。
評価を星3つとしたのは次の点を評価したからです。
・経済状況の簡潔なまとめはそれなりに自分の頭整理になったこと。(正確性については他の方のコメント言及ご参照)
・たしかに家計簿は付けていないので、これはやらないといけないと再認識させてくれたこと。
タイトルに過度な期待をせずに軽く読むこと、そして
できていない基本的なことがあれば実行に移すことが大事です。