鷲の城の通信室で通信機を使ってラジオ放送を聞いているドイツ兵の後ろから、シェイファー中尉(C・イーストウッド)がナイフを持って忍び寄る場面がある。飽きっぽいドイツ兵は次々にチューニングを回し続け、音楽に夢中になっているドイツ兵の背後に中尉が近づいてゆく。ところが、突然ラジオのスイッチを切られてしまう。距離はあともう少し。しーんと静まりかえる通信室。中尉の踏み出した軍足の革の音にドイツ兵が気づき、後ろを振り返った途端、警報を鳴らされてしまう。この警報で続々とドイツ軍が通信室に攻めてくるのだが、静かな音楽から一転して、凄まじい銃撃戦になる展開には今見てもワクワクさせられる。
この作品が稀に見る戦争アクション映画の傑作であることは誰もが認めるところだが、それでも私にはこのDVDをお薦めはできない。このDVDは画質そのものは良いのだが、画面全体がかなり暗く非常に見づらい。特に、少佐と中尉がケーブルカーにつかまって鷲の城に潜入するシーンなど、真っ暗につぶれてしまっており、誰が映っているのかすら見分けられないほどだ。これほど見づらくては、この作品の魅力が伝わるとは到底思えない。1992年にリリースされたレーザーディスクはこのDVDとは比較にならないほど画面が明るく、ケーブルカーの場面も時代を感じさせるスクリーン・プロセス特有の違和感はあるが、充分な明るさがあり、素晴らしい画質だった。しかも、このLDには中盤でインターミッション(休憩)画面が入り、ずっと流れるメインテーマが完全収録されているが、DVDでは何故かカットされてしまっている。非常に残念である。
これから、この映画をご覧になるという方はこのDVDには以上のようなマイナス点があるということを認識しておいた方が良い。LDがあればDVDを買い直す必要はないが、今ではLDの方が貴重であり、入手困難になってしまった。