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20 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「恋愛以前」から書かれた、恋愛小説,
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レビュー対象商品: 荒野 (単行本)
山野内荒野(やまのうち・こうや)という、野性味あふれる名前と、それに反して黒髪の和風の顔を持った少女が、この物語のヒロインである。物語は、12歳の荒野が 中学校に通い始める頃から始まる。女たちと逢瀬を繰り返しそれをネタに小説を書く 恋愛小説家のキザな父親と、ガリガリに痩せた色気はないけれど魅力的な家政婦さんとの 静かな生活から、にぎやかな学園生活へ。美しかったり活発だったりする女友達、 そして、そっけなくされるほど気になってしまうあの男の子…今の時代だったらすぐに 「私、彼が好きなのね!」と恋愛モードに突入してしまうと思うんだけど、この小説の 見事なところは、荒野が「恋って何?」と考えたり立ち止まったりして、なかなか 恋が始まらないところである。考えたら、初恋って、人生初なんだから、最初から 分からなくて、曖昧模糊としたものかも、なんて説得力があった。奔放な父の恋愛騒動に 巻き込まれて、大人のディープな色恋沙汰を横目に見ながらマイペースで成長していく 荒野の姿は、すがすがしくて、どこか図太くもあって、十代の女の子として「こういう 一見おとなしそうだけど実は賢くて落ち着いてて、っていうタイプ、いたかも!」と なんだか、古いクラスメートに会った気がした。 荒野が暮らす鎌倉の町、アルバイトで着る着物や、こしらえてもらった洋服、そして 放課後の買い食いのうさまん(うさぎがたのまんじゅう)など、ディテールも正しい 少女漫画している。そう、これは、黒髪の「赤毛のアン」的な小説でもあるのだ。
12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
古典的だけど、そこが良い,
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レビュー対象商品: 荒野 (単行本)
可愛らしい小説です。直木賞受賞作の『私の男』で桜庭先生を知った方は驚かれるかもしれません。初々しい(しすぎる?)恋のお話です。意図的におさなさを残した、しかし軽やかなリズムと音をもった文体で、少女山野内荒野がすこしだけ大人になって姿を描いてます。最初は見上げるようだった荒野の目線がすこしづつ上がっていき、変わっていく自分とまわりを受け入れていきます。ふわふわした甘い描写と、さっと切り込んでくるような思春期特有の鋭さが同居していて不思議でレトロな感覚とリアルとを読み取ることができるかと思います。 あまーいけれど、ベタベタしていない。そんな恋愛小説を読んでみたい方におすすめです。ほんと読んでいるあいだくすぐったくてたまりませんでした。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
みずみずしい。,
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レビュー対象商品: 荒野 (単行本)
山野内荒野(やまのうちこうや)という、個性的な名前の少女が主人公のお話です。出だしが、電車の中で助けてもらった男の子に一目惚れをするという、 少女マンガチックな内容で、子供向けかなと一瞬思ったのですが、 読み終わると分かります。 これは、”昔・少女だった人たち”向けのお話なんです。 小説家の父と、その再婚相手、家政婦などの強烈なキャラクター達に触れ、 普通の子であれば反発し苦悩するところで、 荒野はものの見事に全てをさらっと自然に受け入れ、 ペースを乱しません。 でもそれは決して無関心な訳ではなく、それぞれの事情を一人で理解し、 最後には自分の世界と静かに同化させていくのです。 そのスタンスがなんとも心地よく、彼女のペースに感心しきりでした。 わたしには荒野のこれから歩いて行くであろう道が、きらきら光って見えました。 更に、舞台となっている鎌倉という街が、この物語と見事にマッチして、 なんとも素敵なお話になっています。 桜庭作品はこれで5作目ですが、初めて共感できました。 直木賞受賞作の後に読んだ方には、肩すかしを食らった感があるかもしれませんが、 未読の方には、私はこちらの方がオススメです。
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