読んでいると遠い日の土臭い匂いが漂ってくるかのような不思議な気持ちにさせてくれます。一巻目よりも二巻目で着実に時は流れ主人公の荒野は少女から女性への道を歩んでいきます。少女幻想とでもいうべき潔癖症は現実から目を逸らすこと、現実の認識不足により初めて成り立つもので、徐々に清濁あわせもつ必要性がある大人への道を歩まざるをえなくなる。ただそこで現実は所詮…といった論法で極端から極端に振り切れるのではなく、悠也への想いという純愛を、義母と父の壊れかかった否、既に壊れている男女の関係性と対置し続ける姿勢に眩しい気持ちを抱かせてくれます。
悠也が帰ってきたことで二人の関係性がどう変化するのか、距離があったがゆえに持ちえた愛だったのか、また血の繋がりのない兄妹として新しい家族が生まれたが壊れた家族をどう再生させるのかといった現実とどう立ち向かっていくのかそして結果としてどう成長していくのかラストまで決して目を離すことができない作品(昔の少女漫画の血を蘇らせた)です。