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荒涼館〈1〉 (ちくま文庫)
 
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荒涼館〈1〉 (ちくま文庫) [文庫]

チャールズ ディケンズ , 青木 雄造 , 小池 滋
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,260 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

エスタ。この、出生の謎をもつ美少女の語りを軸として展開する多彩な物語。その背景となる「ジャーンディス対ジャーンディス事件」とは何か?上流夫人の秘密とは?野心的な弁護士の策動、奇妙な慈善事業家、アヘン中毒の代書人、相次ぐ事件…。イギリス19世紀を代表する作家ディケンズが、小説の面白さのすべてを盛り込み、読者に息もつかせぬ興奮の世界をくりひろげる。

登録情報

  • 文庫: 458ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (1989/02)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 448002297X
  • ISBN-13: 978-4480022974
  • 発売日: 1989/02
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 76,677位 (本のベストセラーを見る)
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24 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 大法官裁判所から始まる物語は、始めはちょっと硬いイメージでとっつきにくいかもしれませんが、エスタの話が出てくる35ページからちょっと感じがやわらかくなります(一人称でかかれている)。主人公がいないと読みづらいという方は、とりあえずエスタが出てくるまで軽く流せばよいのではないかと思います。

 全4巻中の第1巻は、壮大なプロローグといった趣です。数々の事件が詳細が謎のまま提示され、数々の登場人物が脈絡や役割不明のまま登場します。話のすじを楽しみたいタイプの人にはこの445ページの伏線は少々つらいかもしれませんが、ディケンズの優れた表現力とユーモアがちりばめられた文章一つ一つを楽しみながら読んでみて下さい。
このレビューは参考になりましたか?
22 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 子馬
形式:文庫
推理小説の要素もあるディケンズ晩年の作品。

遺産相続、出生の秘密、ロマンス、法廷事件、社会問題
等のドラマに加え、滑稽な慈善活動、時代錯誤、勘違いした人、
といった戯画的な部分もあり、豊かで胸躍らされる作品である。

カリカチュアはディケンズの得手とするとことだが、本作品ではとりわけ魅力的な
キャラクターが多く登場する。
「家庭の天使」のエスタ、ダメ男、過去を背負った貴婦人、
四角四面の法律家、しっかり者の家政婦、その他たくさん。
また、エスタの語りによるエピソードも生き生きとして、面白い。

ディケンズは『大いなる遺産』が最高傑作との呼び声が高いが、
個人的にはそれよりも好きである。
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事件、事件 2012/3/20
By 米酢
形式:文庫
 人の集まるところ、騒ぎというのはつきものだが、この物語は大きく分けて、訴訟事件であるジャーンディス対ジャーンディス事件と、デッドロック夫人の過去をめぐる事件という二つの事件をめぐるものともいえる。

 訴訟はもちろん利益をめぐる争いであるが、デッドロック夫人の過去をめぐっても人々の欲得が絡み、どちらも悲劇を伴って終わる。
 特にリチャードの悲劇は、生まれながらに泥沼の訴訟に利害を持つことであり、対立する立場にある人物への意地や、事件に費やしたものを損失と認めたくない気持ちから、さらに深みにはまっていく。ジャーンディスのような現実感のない理想像は別として、人間なら誰もが足を取られうる陥穽にはまるのである。

 何かを得られるかどうかわからない、何かを失うかもしれない、という不安定な状態に消耗していく人間の姿は痛ましい。状況の変化に一喜一憂し、楽観的なときですら、希望と呼ぶにはあまりにも張りつめた熱狂があるだけのように見える。
 いったい、その中にも、喜びや幸せといったものはあるのだろうかと考えてしまう。

 というのも、ある意味で、私たちはみなこれと似たような状況にあるのかもしれないと思うからである。
 現状維持というようなものも含めれば、およそ誰もがささやかな願いを持って生きている。それをとがめることはできない。何かを望まないでは生きられない。だからこそ不安もある。
 人生で得られるものもあり、得られないものもあり、保証してくれるものは何もない。人はあわれなほど運不運に左右される存在であって、それでも、そのことを見つめてしまったら、心の安らぎはない。

 そして、事件の終わり、リチャードは愛する妻エイダや昔馴染みたちに看取られ、デッドロック夫人は愛した人の墓にたどり着き、果てる。
 生きている限り、現実からは逃れられず、不安も消耗も付きまとう。それでも、最後となったときには、柔らかな愛情の記憶をたどるのである。
 そのことを最初から知っておきなさい、と作者は言っているようにも思える。
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