巻頭カラーは「チロ愛死」から抜粋した写真が飾っている。
スペシャル・撮り下ろしで「チロ死後」の前編と後編。
インタビューは、聞き手ヘルリンデ・ケルブル氏によるアラーキーへのロング・インタビュー。
このインタビューの中で印象深いのがアラーキーの言葉の数々で、胸を打たれた。
花は枯れる前が官能的。人は亡くなる直前が、美の頂点。
チロちゃんの命の終わりの直前が、チロ本人の素晴らしい頂点だったじゃないかと思う
チロちゃんの亡き後は、生きるよろこびを撮るようにしている
妻が亡くなった時、もう一人の自分がいて「これ最高のシーンだぜ!」といっているようで、シャーーター音が熱をさましてくれた
このロング・インタビューの他、アラーキーが亡き父と母達に捧げたエッセイが素晴らしい。
アラーキーが、母の亡きがら等を接写したかった自分自身の中に、写真家としての打算があったことを反省していない、という節に続く一文に感銘を受けた。
また、チロ訃報にまつわる新聞記事が多く掲載されていて涙を誘われる。
その他、立花隆、ともさかりえ、町田康、山田詠美、草間彌生ら各氏のエッセイも読み応えあり。
森山大道氏との対談、森山大道氏撮影の「遺影」、アラーキーの年譜等も掲載。
アラーキーがチロの最期の姿を収めた写真集のラスト近くの数ページが、なぜ「空」ばかりだったかの理由が、本書を読めば納得できると思う。
世界中にアラーキーのファンがいること、レディー・ガガ、ビョークもファンであり、亡きチロちゃんが世界一有名な猫の1匹だったことにも驚いた。
〜愛する者を失うほど写真に切れ味が出てくる〜という言葉も記憶に残る。