和泉桂さんが好きな「軍服、幼馴染み、旦那様と別荘番一家の密かな関係」というお約束ネタを盛り込んだ作品らしい。
この本に書かれている軍隊ネタの部分は和泉さん流にアレンジしているとの事。
私自身は軍服萌えはありませんが、幼馴染みモノ好きなので読ませてもらいました。
あらすじは本の紹介通り。
少し補足しますとー
晄久(あきひさ)と阿澄(あずみ)は子供の頃、お互いを密かに想いあっていた。
しかし、別荘で起こったある事件を境に離れ離れになる。
そして十数年後、思わぬ形で二人は再会するー
荊(いばら)や枷鎖(かさ)の言葉にあるように、この作品は人の情念が絡みついて離さないような部分がありました。
それは主人公カップルが翻弄されるところにあるんですが、幾度かそういう感覚を受けましたね。
晄久と阿澄の幼い頃の家庭環境、成長した阿澄が担う役割等・・・
結構辛い禁忌的な要素や背徳的な部分を含めつつの展開です。
(ネタばれするのであまり説明出来ないのがもどかしい)
でも抑圧された時代背景からか、どこかそれもこの作品の魅力のひとつであったと思います。
それでも過去や現在を乗り越えていく二人・・・というのも力強く感じましたし。
幸せになる二人は良かったのですが、疑問なのは問題が解決されないままなんじゃないのか・・・というところ。
晄久は実家と陸軍の立場的なものがあるはずだし。
実家の跡取りは妹がいるので何とかなるとか理由つけてたけど、あれでは納得出来ない。
晄久と阿澄の立場を考えると、男性同士の交際を成立させる難しさが現代よりあるんじゃないかな。
阿澄の複雑な問題は最後の方に少し触れてましたが、あれでは納得いかない。
眞野伯爵を抑えたとしても、伊世公爵はあの説明で決着つけてしまうと
「じゃあ今までのあの抑圧はなんだったんだ」という事になる。
あとイラストは美しいんだけど、もーちょっと引きの部分があるとなお良かったんじゃないかな・・・
ちょっと内容を誇張してしまい、大げさになっていたように思う。
他にレビューするべき事といえば、あの清澗寺和貴がとあるパーティに出席してて、ちらっと紹介されてました。
道貴の話題も出てましたよ。どちらもほんの少しだけど。
ちょっと今回の作品は色んな要素を盛り込みすぎたかな・・・という気がします。
どこかひとつ削っていたらな、と思う気持ちが残りました。