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まず、漱石が色々な豊富な言葉を繋ぎ合わせ、紡ぎ出すようにして文章を書いていることに驚いた。漱石の文章は、上記の作品を読んでいてわりと明快なものだと思っていたからである。それが「草枕」では、がらっと趣が変えられている。「簡単」「難しい」で言えば「難しい」言葉や文章が多く見受けられるといえる。そしてそれぞれの言葉と言葉、文章と文章の間になにか深い関係があるようにも思えない。ただ一切は流れて行くように言葉が並べられている。だがだからといって、全体として「草枕」が読みにくいか、つまらないかと言ったら決してそうではない。むしろ逆である。
解説に「多彩に織られた文章の中を流れて行けばよい。立ちどまって、それらの言葉が指示する物や意味を探すべきではない。」と書かれているが、筋という筋がないからこそ、流れるようにして「草枕」を読んでみると良いかもしれない。
続いて驚いたのは、那美という女性の描き方である。ただ妖艶な女ということだけからの連想かもしれないが、那美から泉鏡花の描く女を思いだしてしまった。風呂場に現れる場面や、その他家の中で現れるところなど、鼻血が出そうである。失敬。
「草枕」を流れるようにして読んでいく中で、那美の妖艶さが頭にこびり付くように残った。
「日本庭園」的な文章であり、内容であり、本当に飽きない。
絶対お勧めです。
漱石嫌いの方も一度手に取ってみてください。
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