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草原の椅子〈下〉 (新潮文庫)
 
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草原の椅子〈下〉 (新潮文庫) [文庫]

宮本 輝
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

五十歳になり、さらに満たされぬ人生への思いを募らせる憲太郎と、大不況に悪戦苦闘する経営者・富樫。人の使命とは? 答えを求めるふたりが始めた人生という鮮やかな大冒険。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

憲太郎と重蔵はともに自らの人生に穴のような欠落を感じていた。二人は自らの人生を問い直し、これからの生き方を模索すべく、「生きて帰らざる海」を意味するタクラマカン砂漠と「世界最後の桃源郷」といわれるフンザへの旅を企図した。そこに、貴志子と圭輔も加わり、四人の大いなる再生の旅が始まった―。大自然を背景に、魂の歓びに満ちた生を描く、希望と再生の大作完結編。

登録情報

  • 文庫: 446ページ
  • 出版社: 新潮社 (2007/12)
  • ISBN-10: 4101307164
  • ISBN-13: 978-4101307169
  • 発売日: 2007/12
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 180,424位 (本のベストセラーを見る)
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By 21310
形式:文庫
毎日新聞に連載されていた当時(1997〜1998年)、宮本輝は
憲太郎や重蔵と同じく五十歳であった。
孔子にして「天命を知る」五十歳は人生の後半を強く意識し始める頃。

圭輔の出現によって憲太郎は自らの星である使命を知る。
重蔵は自らの会社の再編を決断し、自らを宇宙と呼ぶ。
男たちは真剣に人生と向き合い、関わる人たちを慈しむ。

本作の中で憲太郎も重蔵もことあるごとに日本という国を嘆く。
あとがきの中で作者自身が「一種異常なほどの「この国への憎悪」」を
感じながらそこに生きる「人間力のあるおとな」を描いたという。

この作品が発表されてから十年、日本は何も変わってはいない。
一般人が起こす凶悪事件は残虐さを増し、
その背景には驚くほど自己中心的な理由しか存在しない。

だからといって私たちは投げやりに生きているわけではない。
将来に不安は抱えながらも、この国で幸せに生きていくために
毎日を懸命に生きている。
もう少しだけ、あとほんの少しだけ他者への気遣いが増えれば
ひとりひとりがその気持ちを心掛ければ
日本は良い国に再生できる。それは政治でも経済でもない。
ここに住む私たちの気持ちの問題なのだ。
希望と再生を考えるきっかけになった。宮本作品の本質である。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
主人公憲太郎や篠原貴志子、そして富樫やみんなが5歳児圭輔にそそぐあくまでも暖かく、優しくそして愛にあふれたまなざしはこのキツイ日本の世の中にとってまさに一服の清涼剤かのようです。
5歳児を持つ親として、不況にあえぐ日本の国民として、殺伐とした人間関係に問題を感じるけれども何も出来ないおとなとしてとても考えさせられる一冊でした。

作者あとがき欄で宮本 輝さんがおっしゃられていた本当のおとなの定義
がより心に染み入りました。

 幾多の経験を積み、人を許すことができ、言ってはならないことは決して
 口にせず、人間の振る舞いを知悉していて、品性とユーモアと忍耐力を
 持つ偉大な楽天家。

今の日本に必要なのはこんなおとなだと感じ入った、私にとって価値ある一冊です。

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形式:文庫
正直言って、大変がっかりしました。上巻で提出したテーマ、パキスタンのフンザで「貴方の瞳には三つの青い星がある。淫蕩と潔癖と使命である」と老人にいわれ「50歳になった自分にどんな使命が残っているのか」と苦悶する主人公は、下巻では再びフンザへ行き「俺は何者かに護られている。そうでなくてどうして、50才になるまで生きてこられるというのか」と宗教的啓示を受ける。
作者は何故小説という舞台のなかで、大きな構想を発展させる実験を行わなかったのか!現実でのみ格闘して日々を送っている人になにひとつメッセージを送っていないではないか!
しかしそれでも、作者はなんてやさしい人なのだろうと思います。
小さいころ親に虐待された圭輔という子を見つめる眼が慈愛にあふれている。
貴志子という女性は肉感的装飾は取り払われやや無機質っつぽくあるが、理想的女性にかわりはない。
やさしい人ばかりで、読んでいても大変リラックスできる本です。
作者はストーリーの中より人物造型の中で,今の日本で失われた人物像を描くことで癒されているようです。
読者もストレス・緊張の多い昨今、この本を読んでいる時は唯一やすらぎのひとときを得ることができ、読後は自分にも他人にもやさしくなれるでしょう。
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