ホイットマンが生涯をかけて改訂し続けた主詩集『草の葉』全編(定本・第七版)の日本語訳。
訳者は1971年に刊行された旧版の主訳者。それを元に改訳新版が発刊された。
訳文は生き生きとして読みやすく、ホイットマンの作品像に対しても適切。
かつて東欧諸国で自由な言論活動が禁止されていた時代、外国の詩の翻訳を通じて抵抗する人々がいた。
その時に中心となった作品が『草の葉』であり、そのなかでもこの本に収録されている
「おお船長、わたしの船長よ」だったという。
この話を聞いて、もう一度興味を持ち、この本の頁を開いた。
海、船、航海、河口などは、ホイットマンの歌にとって主要な題材群で、この本の中にも様々な詩句がある。
「肉体の船、魂の船は、進みつづけ、進みつづけ、進むことをやめず」(「船に乗り組み舵を取りつつ」)
「わたしには見える。あなたのなかで
大海をめざして注ぎ込む河口が
壮大に広がりふくらんでいくさまが」(「老年に寄せて」)