少女漫画家、谷川史子の短編集。
僕は谷川史子の作品は、本作以外には『くらしのいずみ』しか知らない俄かですが、本作もグッと、キュンと、ブワッと来ます。
内容は4話からなる短編で、梗概は以下。
1.草の上 星の下
姉妹の物語。
容姿端麗、周囲(家族)に愛され御姫様あつかいの姉にコムプレックスを持つ妹が主人公。妹は24歳で、立派な社会人。大学時代から付き合っている彼氏も居て、順風満帆。
しかし、結婚して旦那の転勤(スイス)に付いて行った姉が、突然実家へ帰宅。
帰宅の理由も話さず、しかし、父も母も姉の突然の帰宅をただ喜びます。
妹からすれば、仕事もせずに家にいて持て囃される姉が面白くない。
挙句、自分の彼氏までが「きれいな人だなあ」との発言。
堪りかねた妹は――。
2.サルビア
夫婦の物語。
旦那の所持する本に挟まっていた、旦那と女性の2ショット写真を見つける。
写真の相手を旦那に問い詰める主人公。
その写真の女性は――。
3.プリズム
教師と生徒の物語。
担任に惚れた女生徒。積極的に接しても全く相手にされず、ついに自宅にまで押しかけるも、その教師宅には女性が居た――。
4.春が来たなら
親子(父と娘)物語。
作家の父親と、その担当編集が彼氏の女性。母が早くに亡くなって父と娘の2人暮らしが続いていた。
そこへ、担当編集である彼氏がプロポーズをしてきた。父を置いて出て行くのか、彼を置いて父と過ごすのか、娘の選択は──。
女性向けの作品故に、葛藤する女性(主役)に対して、男性は1歩先を行っています、精神的に。
しかし、その男性達が、御都合主義の万能キャラではなく、主人公(女性)よりも1歩先を行っているのは、女性への想いや覚悟がある故に滲み出た行動なのだ、と男女偏りなく丁寧に自然に描かれています。
主人公である女性陣の愛らしさに加え、男の僕からみても格好いい男性達。
正直なところ、僕はどちらかと云うと男性達に胸を打たれましたw
谷川史子は、随分と藝暦が長い作家なのですが、僕は先日発売された『くらしのいずみ』で知りました。
『くらしのいずみ』で惚れ込み、今は過去作を漁りつつ、今回の新作を読みました。
僕の周りには谷川史子の既読者がおらず、語り合える戦友(とも)がなく寂しい限りです。
グッと、キュンと、ブワッと来る谷川史子作品。
男女不問、誰にも彼にも、とにかく推奨。