孔子からの流れを汲む儒者の著作ではあるが、内容としては儒家よりも法家としての色合いが濃い。韓非子がこの荘子の門下だったというのも頷ける話で、荀子の説く「礼」はほぼ「法」と同じ概念を持っている。孟子の「性善説」に対して荀子は「性悪説」を主張し、人間の本性は悪であるので、教育によって正しい方向へと導かねばならないとした。
他の儒者に見られるような過度の理想主義から離れ、かといって法家の者に比べれば人間に対する深い信頼と暖かさを感じる。また、「非十二子」は他の思想家たちに対する痛烈な批判であり、いくらか感情的になりすぎて公平さを欠いているようには感じられるものの、他思想家の特徴を端的に捉えて表現している側面もあり面白い。
原文、読み下し文、訳文の三つが丁寧に記されているのもこのシリーズの特徴。特に訳文は分かりやすく読みやすい。