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本書を読むと、以上のような茶道史上の主要人物の間で、いかに多くの意見のズレがあったかがよく分かる。つまり茶道が「伝統芸能」であるとしても、それは複数の伝統を持っているのである。また著者も述べているように、茶道の基本は人と人との心の交流にあるのであって、その形式は二次的なものである。したがって著者は、茶道の形式主義に警鐘を鳴らし、批判の重要性を強調する。極論すれば、善法のように、茶の点前などしなくとも、心根さえ正しければ大茶人たりうるのである。
本書の内容の学術的意義はともあれ、以上のような著者の立場は基本的に首肯できるが、ただ著者の多用する「日本化」という言葉の含意はいまいち分りにくい。また、名物茶器についての説明は、私のように現物を見たことのない人間には、全くイメージがわかないので、できれば写真か何かが欲しかった。流派の系統図も欲しいところである。
なお、私見では、茶道の基本については、千葉猷道・さとうたかし『マンガ茶の湯入門』(平凡社、1988年)が手ごろなように思われるが、どうだろうか。
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