茶道を学んでいる人や、建築を勉強している人向けにいろいろと出版されている「茶室見学入門書」のような本の一つです。サイズもA5版で持ちやすいサイズです。
内容はこの手の本にしては非常に「濃い」と思いました。茶室が定型化するまでの建物を解説するのはどの本でも同じなのですが、この本ではまず奈良時代の住宅建築や日本最古の民家・箱木千年家についてその構造を解説しているなど、根本的な意味から茶室の各部位の意味をたどろうとしているところに深さを感じました。
ただ、茶室の取り上げ方は茶人別でもなく、歴史の順でもないため、各茶室の特徴や系統が分かりにくく、一寸散漫な印象を受けました。また、茶室の平面図やカラー写真がないため、せっかくの解説の意味が理解できないところがありました。他の茶室入門書を並行して読まれると面白いのではないでしょうか。