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茶坊主漫遊記 (集英社文庫)
 
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茶坊主漫遊記 (集英社文庫) [文庫]

田中 啓文
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商品の説明

内容説明

ミステリ仕立ての痛快時代小説
石田三成が生きていた! 腐乱坊と彦七を連れ諸国を巡り、先々で起こる怪事件を解決しながら西を目指す。しかし一行の始末を命じられたのは強敵、柳生十兵衛。三成の目的とは!?(解説/日下三蔵)


内容(「BOOK」データベースより)

関ヶ原の戦いから34年後の夏、地蔵と見紛う小柄な老僧と容貌魁偉な従者の一行が街道を行く。実はこれ、京都六条河原で斬首されたはずの石田三成であった。行く先々で起こる奇ッ怪な事件をズバッと解決、高笑いを響かせながらの諸国漫遊だが、どうやら秘めたる目的があるらしい。一方、三成存命を知った将軍家光は、一行の始末を隠密・柳生十兵衛に命じるが―。ミステリ仕立ての痛快時代小説。

登録情報

  • 文庫: 320ページ
  • 出版社: 集英社 (2012/2/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087467996
  • ISBN-13: 978-4087467994
  • 発売日: 2012/2/17
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By suihou トップ50レビュアー
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関ヶ原の戦いから十数年。斬首されたはずの名将、石田三成が生きていた、という伝説を、著者流にユーモアとミステリの味付けをくわえて展開した連作です。
水戸黄門を思わせる老僧すがたの三成と、それを守る腐乱坊、また語り部である彦七の三人が、伝説にのっとり、米沢、彦根、備前、天草、そして薩摩へと旅をします。

 著者の本領であるユーモアは、それぞれの地方の巧みな方言会話などにあらわれていますが、全体としては「面白うてやがてかなしき」歴史のあれこれの裏エピソードをひろってゆきます。黄門さまと同じように、三成もさまざまの事件を解決し、あるいは真相を見抜きますが、勧善懲悪が成るとは言いがたく、徳川の世もまだおちつかぬなか、あちこちに戦乱の余塵がくすぶり、豊臣方を慕うものもあり、キリシタン弾圧あり、滅びてゆくものたちの哀歌がつづられます。

 幕府の密命を帯びて、三成を切るべく、ずっと彼を追ってくる柳生十兵衛がこれにからみ、なんと宮本武蔵もちらりと異相を見せたり。

 最初の二話は、軽妙なミステリとしての面が強く、意外な殺人の謎を三成が解き明かしたり、仇討ちの相手を探し出したりしますし、各話も「茶坊主の不信」「茶坊主の童心」など某ミステリのパロディのタイトルになっています。
 しかし、天草から薩摩のさいごのエピソードは、ミステリというより、歴史の敗者の最後の心意気というか、史実を踏まえた推量に心を打たれます。

 戦いの騒擾とそのあとの余韻。歴史小説としての哀感が胸にひろがる佳作です。

 
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By 志村真幸 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
 2010-11年にweb集英社文庫に連載されたものの文庫化。
 5本を収める短編集。
 水戸黄門とブラウン神父のパロディとなっている。おともの怪僧の名が腐乱坊というのだから凄い。
 主人公の茶坊主は徳川・豊臣の争いで死んだと思われていたあの人で……という著者お得意の設定で、柳生十兵衛や宮本武蔵などが登場してくるのも楽しい。茶坊主が日本を旅しつつ、謎の事件を解明して庶民を救っていくというストーリーで、あちこちにパロディが仕掛けられている。
 全体としては時代劇のようなミステリのようなギャグ小説のような内容。
 ただ、いつもの作品に比べると、グロテスクさやだじゃれが薄味で、ごくまっとうな物語になってしまっているような……。
 いささかものたりない。
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