* 講談社バイリンガル・ブックス「茶の本」のレビューです。
レビューの転載に、ご注意ください。
「武士道」、つまり我々の「死の術」について論評が多く行われているのに対し、
我々の「生の術」こと「茶道」については、ほとんど注意が払われていない。
天心は、このような趣旨の文章を書いています。
この本は、中国からの茶の伝来から、茶道と禅の関係を説明し、
それから茶道には欠かせない茶碗、茶室、花などについて述べてあります。
前半は、歴史や道教・禅の思想など、なかなか素人には難しいのですが、
一字一句を、しっかり読み、できるだけ内容を理解するように努めると、
後半での茶室や花など、具体的な日本の「生」を、より深く理解できます。
この本は、茶道の中で大切にされる思想、
すなわち、「一期一会」、「和」、茶室での平等→「慈愛」など、
古来、日本人が大切にしてきたものを、再確認させてくれます。
本書は、左ページ・日本語、右ページ・英語(原文)で構成されているので、
そもそもの「茶の本」の趣旨を、最も汲み取りやすい形で読めます。
また、千宗室(現・千玄室)氏によって書かれている序文・跋文は、
おそらく、このレビューを読んでる皆さんにとって、
たいへん興味深いものであると思います。
「茶の本」は、いろんな出版社から本が出てますが、
本当に「茶の本」を読みたいのであれば、
自信を持って、この「講談社インターナショナル」版をお薦めします。