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日本もまた一次産品の輸出に甘んじていた時代があったことを確認させてくれる第二部も資料的価値が高いのですが、とくに読み応えがあったのは第一部です。
茶葉も砂糖も生産できない英国で紅茶文化が花開いたのはなぜか。茶葉の供給地だった中国の半植民地化、カリブ海の砂糖植民地でのプランテーション労働など、筆者は「近世ヨーロッパの資本主義の形成とそのグローバルな展開」に紅茶が密接に関わっていたことを、統計資料を示しながら丁寧に論じています。
新書という形式も加味すれば費用対効果がたいへん高い一冊です。
それまで王朝史・政権史・政治史が歴史だと考えていた私は、少しこの本の記述方法に戸惑った覚えがある。社会にどっぷりと漬かった現在と違い、経済的動機に重きを置けなかったこともあり、今ひとつこの本の流れが頭に入ってこなかったのだ。
最近改めて買い求め、再読してみると逆に普通の歴史書よりもすんなりと読み込めた。大上段に構えた王朝モノではなく、歴史とは皮膚感覚に密着した「茶」などから語り始めるのがふさわしい。20年経っても色褪せない良書である。
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