宇都宮森林公園で毎年10月に開催される国内最高峰レース『ジャパンカップ』を見に行ったことのある者にとって最高に楽しめるアニメーションムービーだ。実はおととしジャパンカップを見に行った時、本作品の監督・高坂氏と会場でばったり出くわして「茄子の続編作ってくださいね」と気軽に声をかけたことがある。監督は少々寝不足そうな顔をしてニヤリと笑っただけだったが、まさかその時この続編制作の取材に来ているとは思わなかった。
来期解散が決定的なチーム・パオパオビールのぺぺとチョッチは、まだ移籍先の決まっていない1.5流の選手。有力選手たちは、ツール・ド・フランス終了時(7月)に選手契約を済ませているだけに、ロード選手にとってぺぺとチョッチの状況は危機的なのである。ロードレースの師でもあるマルコを自殺で失ったエースのチョッチは引退をほのめかすのだが・・・。
10周回のレースを佳境にさしかかるラスト4週目から場面開始をしているのは、高坂監督が何よりもロードレースをよく知っている証拠。自分はレース最大の難所と呼ばれる古賀志の劇坂を何回か試走したことがあるが、精巧なCGで作られたレース映像は何よりも臨場感抜群で、前作よりも数倍迫力が増していることは確かだ。
劇中スペイン人と日本人が通訳なしで会話する不自然さも感じるし、孤高のチャンプ=ザンコーニの謎の行動の真相や、ペペやチョッチの来期契約の結末なども明らかにもされず多少の不満も残るが、ロードレーサーにハマっている人にとってはたまらなく面白い作品であることは間違いない。