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英雄の書 (カッパ・ノベルス)
 
 

英雄の書 (カッパ・ノベルス) [新書]

宮部みゆき
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

森崎友理子は小学五年生。ある日、中学二年生の兄・大樹がクラスメートを殺傷し、姿を消すという衝撃的な事件が起きた。 事件から十日ほど経った時、友理子は兄の部屋で不思議な声を聞く。「君のお兄さんは“英雄”に魅入られてしまったのだ」。本棚の奥の見慣れぬ書物が、友理子にささやいているのだった。書物に導かれ、兄を救い出す旅へ出る友理子。すべての物語が生まれ、回帰してゆく〈無名の地〉と呼ばれる場所で、友理子は、世界の根源というべき、おそるべき光景を目にする――。

内容(「BOOK」データベースより)

森崎友理子は小学生。中学生の兄・大樹が、学校で同級生をナイフで刺し、そのまま逃走、行方不明になった。友理子は兄が心配で、彼のしたことが信じられなくて、途方に暮れる。そんな彼女に、優しく語りかけてくる本があった。本が言葉を話す!?それが、兄を救い出すべく、彼女が旅立つ壮大な冒険のはじまりだった…。なぜ私たちは、物語を紡ぐのか。英雄を求めるのか。宮部みゆき、最大の問題作にして、究極の破戒作。

登録情報

  • 新書: 570ページ
  • 出版社: 光文社 (2011/5/19)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4334077064
  • ISBN-13: 978-4334077068
  • 発売日: 2011/5/19
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 3.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 49,661位 (本のベストセラーを見る)
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深淵な認識論 2011/6/26
By アルチザン トップ500レビュアー VINE™ メンバー
おそらく著者の長年の心の中にあった小さな火がストーリーになったように感じた。
人が話し、書く、ものは物事の一面だけを拾い集めていって「物語」とする。
あまりにもその方式が定着しているがために違和感すら持たない。
しかし、現実はいろんな出来事の集合に過ぎない。出来事の集め方で物語はどうとでも変わる。

その「物語」や記録されたものが意思をもつとどうなるか、というところからストーリーが展開する。
とくに英雄は必ずマイナスの側面をもつのは歴史(あ、これも物語ですけど)が証明している。
物語の紡ぎ手が、物語を題材に物語を紡ぐ、というとってもメタな小説。
著者のファンにも楽しめるだろうし、認識の仕方を小説の題材としているという面でも楽しめると思う。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By hikagemono トップ1000レビュアー
本書を読んで、主人公のガキっぽい言動が気になる、という意見のあることが、不思議だ。
仮に、主人公が「自分も魔法が使える」「魔法で何でも出来る」ことを簡単に納得し、自ら積極的に戦うような性格であれば、主人公もまた“英雄”に魅入られてしまう事になる。
本書は、主人公じたいが「ある種の物語の主人公であることを拒むような性格の持ち主」でなければ、「物語」が成り立たないという、極めて独特な構造の上に成り立っている。
登場人物が自在に動いて「物語」を引っ張っていくのではない。それでは単純な「“英雄”の物語」になってしまう。
主人公でありながら“英雄”ではなく、“英雄”である事、「物語の主役」である事を、拒まねばならないのだ。
それゆえに本書は、単純なカタルシスをもたらす小説ではなく、安易な結末も存在しない。
本書の「エピローグ」は、続編への橋渡しではなく、我々が住む世界への橋渡しとして機能している。
我々の住む世界と近しい世界として設定された「主人公の住む世界」における「物語」が、完結しておらず、何ら解決していないように見えるのも、作者の意図なのだろう。
ある種の解決、結末が付けられることで、「輪」が閉じたと読者に感じさせては、「物語」は単なる他人事で終わってしまう。
「あー面白かった」と本を閉じて終わり、ではないのだ。
我々の住む世界にも「“物語”の“咎”」は存在し、「“英雄”に魅入られた者」が破壊や殺戮をもたらしてきたし、今もなお、もたらそうとしているではないか。

抽象的な書き方で申し訳ないが、わかる方には、お分かりいただけるのではないかと思う。
このレビューは参考になりましたか?
9 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
物語の起因は、現代ならどこにでもある生徒同士のいじめ、いじめられた子を庇ったがために教師から目の敵にされ、あげく殺人を犯してしまう主人公の兄その兄を救いたいため心悩ます主人公。
そこに語りかけるものが・・
宮部みゆきさんの簡潔な文章でありありと描かれる異世界の景色。ICOと似たような状況設定でいながら、まるでお坊さんの説話をきいているような訴えかける物語。

これは、今学校でいじめに会っている、職場でうまく行っていない、そういうひとに特に読んでほしいとおもいます。
いじめが解決できるとかではなく、いじめにあっているココロが慰められます。

某テレビ番組で島田伸介さんが言っていましたが
いじめは学校や教師が何かできるものではない親がすべてをすてても子供をまもるという気概が必要だ・・・・と。
しかし、そんなオヤがどれだけいるでしょう?

あなたは独りなんだよ、でも、みかただっているんだよ
そういっているように感じました。
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