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英雄なき島―硫黄島戦生き残り 元海軍中尉の証言
 
 

英雄なき島―硫黄島戦生き残り 元海軍中尉の証言 [単行本]

久山 忍
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

覆される定説、硫黄島戦。元海軍中尉が初めて語ったまぎれもない私の真実。

登録情報

  • 単行本: 214ページ
  • 出版社: 産経新聞出版 (2008/08)
  • ISBN-10: 4819110209
  • ISBN-13: 978-4819110204
  • 発売日: 2008/08
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 猫だるま VINE™ メンバー
形式:単行本
戦地で戦った方からうかがった話ですが、前の戦争において亡くなった人の九割は、赤痢やマラリアなどの伝染病や飢えや渇きが原因です。

硫黄島では水が決定的に不足していました。語り部である大曲少尉をはじめみな、水を探してさまよいます。戦争どころではない。この本の後半部分には、乾きからくる人間性の喪失についてもふれられています。

第四章では、米軍に大損害をあたえた新型ロケット弾についても記述があります。アメリカの資料にも掲載がないそうなので、戦史を研究されている方は、ご一読をおすすめします。また、、硫黄島において米軍の戦死者が日本軍より多くなったのは、この新兵器がおこした偶然ではないかと述べられています。この章は、激戦という言葉に、大曲少尉がつけた疑問符でしょう。

文章に誰かを責める様子がないからか、普通の人にとっての戦争という残酷が絵を見るように伝わってきます。

もし戦争を知らないのなら、極端な美化や不当に貶めることのないこの本を読んでみては、いかがでしょうか。
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12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 正義の味方 トップ500レビュアー
形式:単行本
映画「硫黄島からの手紙」は綺麗過ぎたが、秋草鶴次海軍通信兵の「十七歳の硫黄島」で胸を打ち、今回更に大曲覚海軍中尉(当時23歳)の本書に驚愕した。大曲中尉は秋田鉱山専門(現秋田大学)から昭和18年10月に飛行機整備予備学生、追浜海軍航空隊入隊、19年5月少尉で、19年8月硫黄島の海軍南方諸島海軍航空隊(南方空)に着いた。陸軍13,300、海軍7,500。兵団長は栗林忠道中将(死直前に大将)だが、海軍は第二十七航空戦隊(市丸利之助少将)、南方空(井上左馬二大佐)、硫黄島警備隊(和智恒蔵中佐、後に更迭)の布陣。硫黄島の問題点はただ「水」にあった。川がなく雨量は極端に少ない。栄養失調、脱水症状、アメーバ赤痢に19年11月から苦しんだ。硫黄島は持久戦ではなく、実態は防空壕の洞窟奥深くじっとしていた。攻撃命令は組織の崩壊、無統制となり、個々如何に米軍の攻撃から逃れるか、水を得るか、食糧を確保するかで、米軍の俘虜にはならぬ戦陣訓のみで頑張った。20年2月19日の米軍上陸から3月初めには組織的抵抗は終わり、3月20日過ぎから日本軍の抵抗はない。洞窟の炎熱地獄に、兵は全て素っ裸、将校は流石に褌姿、あばらが浮いた丸裸に水筒をいくつもブル下げた姿だ。硫黄臭、死臭、糞尿臭、飢え渇き、凄まじい。そして米軍は洞窟内へ海水注入、ガソリン流し、一面火の海に、地獄だ。大曲中尉から見た栗林中将の印象は良くない。エリート意識の強い典型的な高級将校で将校間の不芳噂通りと言う。西竹一中佐も、米軍の特別な呼びかけが伝えられるが嘘だと断言する。美辞麗句、勝手な話も止めるべきだと。美談、英雄話もあり得ないと言う。西中佐率いる戦車隊の対戦車肉迫攻撃は、死んだ戦友の下腹から内臓を掴み出し自分の身体に塗って、戦車が来るまでじっと死体を演ずる。海軍の武器不足は小隊60名に三八式小銃が20挺、手榴弾一人2個、擲弾筒2挺のみ。それでもまだ沖縄決戦、本土決戦とは・・。
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11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
この本は「久山忍 著」となっておりますが、実際は、硫黄島戦に予備学生出身の海軍中尉として参加し、死ぬ寸前まで追い詰められた所で米軍に投降して命拾いした大曲覚氏へのインタビューを、ライターである久山氏が文章にまとめたものです。

一読して、今まで通説となっていた、映画「硫黄島からの手紙」などでも感動的に描かれた

『硫黄島戦の指揮官であった栗林中将は、日本陸軍では稀な知米派で、陸軍の高級軍人には珍しい温かい人柄であり、高度な戦術能力と統帥で硫黄島守備隊を粘り強く指揮し、米軍に多大な損害を与えた名将』

というのが、大曲氏の証言ではどうも事実と違うらしい・・・ということが分ります。

(1) 栗林中将は、学徒出身の大曲中尉が見て、典型的な「威張り散らす陸軍の高級将校」であった。

(2) 栗林中将の現実を無視した命令により将兵が無駄な苦しみを味わい、かつ栗林中将の不寛容によって統帥が乱れた事実がある。大曲中尉はそれを自らの目で見ている。

(3) 硫黄島戦で、日本軍が米軍にまとまった損害を与えることが出来たのは上陸から3日程度。それから後の日本軍は、地下壕に潜っていただけ。上陸から数日経つと、日本軍の抵抗を排除した米軍は飛行場の運用を始め、米軍が硫黄島に上陸作戦を行った目的「マリアナ諸島と日本本土との間に有力な飛行基地を設ける」は達成された。

(4) その時点で、日本軍には、米軍の飛行場運用を妨害する力はなかった。それから後の米軍と日本軍の戦いは「掃討戦」に過ぎない。

(5) 上陸から数日間の「日本軍が米軍にまとまった損害を与えた時期」に、米軍が多大な損害を出したのは
『夜間に、上陸した米軍歩兵が日本軍の夜襲に備えて密集して夜営している所に、硫黄島の海軍守備隊が、海軍の航空爆弾 (250キロ、60キロ)を改造して作った「ロケット爆弾」を次々に撃ち込んだのが大きい。
250キロ爆弾は、炸薬量で言えば戦艦の主砲弾と同等以上で、これがアメリカ兵が密集する所にどこからともなく降って来れば大損害が出て、米兵がパニックを起こすのも無理もない。

硫黄島戦に対する見方が大きく変わる貴重な文献として推薦します。
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