著者は言わずと知れた、英語授業の達人である。
長年、兵庫県と島根県の公立中学校教諭として、英語教育界に影響を与えて
きた方である。著者ご自身も語られているように、そこに至るためには様々な
失敗や挫折があってのことで、それを乗り越える旺盛な向上心とチャレンジ精神が
今の筆者を作り上げてきたのだろう。
本書は、そんな筆者が中学校教育現場にいた頃に(今の大学も「現場」であると
本書で筆者は述べておられるが)、主として「経験」して「会得」してきた
授業構成、授業の目的、英語上達のポイント等を、余すところなくストレートに
綴ったものである。
したがって本書は、研究書としての色合いはほとんどなく、あくまで「現場」の教師
としての視点から得た授業改善のポイントがまとめられたものである。
常に新しいことを試み、生徒の反応から授業を改善しようとしてきた様子が文からも
伝わってくる。その積み重ねで達人といわれるまでになった著者のエッセンスを知れる
ことは、現場教員にとっては得るところが非常に大きい。
やはり中学生を想定した記述が大部分を占めるが、著者のエッセンスを知ることができる
という点で、高校や大学の先生方にも得るところが必ずある本だと感じる。