~わたしも第二言語習得をやっているんですが、この本は大変よくできていると思います。他の人のレビューにもあるように、良い点は沢山あるので、ちょっと批判的なことを書かせてもらいますね。一言で言えば、「対象が一般読者なのですから、意見の別れるところは断定をさけた方がいい」と思います。たとえば、多読をしても、文法能力が高まったり、語彙が増え~~たりはしない、と断定していますが、それは現在のごく限られた研究でそれが明らかにされていないだけの話ですよね。また、英語耳の話で、母語と英語の音声周波数の違いとTOEFLのリスニングの得点が相関していないだけの理由で母語と英語の音声周波数の違いは関係がないような主張をしていますが、これは論理の飛躍で、TOEFLのリスニングの得点は語彙力、文法力、~~学習環境などさまざまな要因によって変わってくるのであって、母語と英語の音声周波数の類似性だけで決まらないことはいうまでもありませんよね。さらに、「普遍文法という仮説」といっておきながら、結論ではそれがあることになっている。一般書なので、仮説を真実のように書くのは問題があります。普遍文法を否定するトマセロのような立場もあるわけですか~~ら。他にもいろいろ問題のある断定があります。ということで、この本は一読の価値はありますが、ほかにも何冊か第二言語習得の本を読んでみないと、危険だとおもいます。とにかく、この本を鵜呑みにしないで、著者らもいうように、「批判的」に読むことが大切ですね。~