私は北海道に在住しているが、地元の新聞にこの本が著者とともに紹介されており、興味を持って購入した。
筆者は進学校で英語を教える教師だが、英語の授業としては今までの授業と一線を画す画期的な手法(HCラウンドシステム)による授業システムを聞きつけ、視察に来る他の高校教師も多いという。
この本で書かれている英語の学習方法(授業方法)は、音読・暗写(英文を暗記して筆写する方法)を中心としたものであり、多読も非常に効果的であることを説明するが、音読の重要性については、同時通訳の神様と呼ばれる國弘正雄先生も随分前から述べられており、筆者の授業システムもこれに相当近い部分があると感じた。そういう意味では、この本に共感を覚えた人は「英会話・ぜったい音読」シリーズから入ってみるのも良いかもしれない。
本書においては、1.具体的な音読・暗写の手法・効果、2.多読の威力、3.独学による音読・暗写・多読の進め方等について説明されているが、多読として勧める具体的な教材、DVDを使用した学習法等、比較的細かい部分まで説明がなされている。
また、筆者の勤める学校の生徒(200名以上)が受けた英語コミュニケーション能力テストの成績の推移もグラフなどで取り上げられているが、この結果からみても、音読・暗写・多読が効果的な英語学習方法であることが裏付けられている。
最近になっても努力せずに英語を身につけられる方法を謳う英語学習本も少なくないが、教育の現場で25年間英語に携わり続け、思考錯誤の結果生まれた筆者の授業システムは、骨太の英語力を身につける指針になるに違いない。