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本書の題名の意図するところは
「子どもを英語環境に放り出して何もフォローをするつもりが無い
親に対する警鐘」
なのだと思います。
が、内容的には
『英語を子どもに教える前に知っていて欲しいこと』
のほうが題名としてふさわしいと思います。
そして、「知っていて欲しいこと」とは何か?
それは皆さんが実際に本書を読んで回答を出していただきたい
と思います。
また、本書の内容は英語教育にとどまりません。
特に終章など、子どもの教育に興味のある方なら、
多くの示唆を得ることが出来るでしょう。
子どもを英会話教室に通わせるかどうか迷っている方、
小さい子どもを連れて海外赴任される予定・可能性のある方、
子どもの教育に興味のある方、
特に自分の思いをはっきり主張できる自立した子どもに育てたい方に
おすすめできる本だと思います。
著者は、重要なことは「英語の能力」ではなく、論理的思考力、説明能力、伝えたい内容を持つこと、人間的魅力、専門知識などであり、英語の学習にとわられる余り、これらの重要な能力を訓練する機会を逃してしまう可能性があり、さらには後に英語の学習にも支障をきたすと警告している。海外に来たが英語も日本語も中途半端になり、まとまった会話ができなかったり作文が苦手になったりする子どもたちの例が著者の主張をよく裏付けている。
本書のタイトルは「子どもに英語を教えるな」となっているが、著者は完全に子どもに英語を教えることを否定しているわけではない。バイリンガルにするために子どもに英語を教えるのは並大抵の努力ではなく、また、リスクも大きいということである。
英語の早期教育を考えている親や海外で子育てをしている親は、安易に英語教育に走ったり、「バイリンガル幻想」に踊らされたりすることなく、本書のような実体験に基づいた主張を注意して研究する必要があると感じる。著者の「子どものためという理由を隠れ蓑にして、実は親は自分のわがままな願望を子どもに託しているに過ぎない。」というコメントがあてはまる親は少ないないのではないだろうか。
一つ気になったことは、日本の学校では、まとまりのある議論をしていないだの、論理的思考の訓練が足りないだの批判的なコメントが目立つが、一般化する根拠がやや乏しいように見える。
本書では、バイリンガル教育に関する多くの文献を参照していて、巻末にブックガイドも付いているので、ここから他のバイリンガル教育の文献を調べるのにも役に立つ。
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