英語を学習するには、小説をたくさん読むのがいいというお話です。実際に読んでいく際のポイントがいくつか書かれています。作家は、意味内容に関わりなく文章を複雑にしている、ということが強調されています。学校では何かと意味づけを行ってしまうので、なるほど、と思わせます。しかし、こういうポイントが詰まっていればいいのですが、あまり書いてありません。とにかく英語の本を買って読んでみないと始まらないみたいです。
この本のミソなのは、著者が日本語が大好きで、小説が大好きで、語学力が極めて高かった、ということだと思います。そういう自分を省みずに、あっさりと書いたように思えました。そのため、読んでいて心に響くようなことが、ほとんどありませんでした。子供が母国語を学ぶように学べばいい、なんて言ってしまうのは、今日日あまりにナイーブではないでしょうか。脳云々の話を持ち出すまでもなく、子供は何もないところから4年でマスターしても、かれらはその間に3万5千時間かけているということに気づかないものでしょうか。
たしかに、多読は王道と言っていいと思います。しかし、英語を「学習」するための手段として行うには、忍耐力を要するものです。著者のような性格であることが必要だと思います。たとえ運良くそういう性格であっても、英語力を獲得するまでに何度も困難に遭遇するはずです。そういうところで力になるようなことが書かれていないのが残念です。
著者は十分な日本語力を持っているようなのですが、この本は英語で書いて他人に翻訳させています。この点も残念です。