日本語話者が犯しがちな間違いや英語学習の難所が、非常にコンパクトな形でまとめられています。
「一般のyou」、「誇張法」、「句読点」、「文と文との因果関係」、「(とくに仮定法における)省略」、「挿入構文」、「描出話法」、「英語と米語」といったトピックは、高校英語ではあまり教えられていないのではないでしょうか。この本では、これらの概念が、極めて平易な言葉で解説されています。
最終章では、ポーの一節などが引用されていて、なかなか難度の高い英文があるんですが、著者は、大学でながく教えられていたので、学生がどこでつまづくかよく知っているのでしょう。解説が丁寧で、うまいです。そのポーの一節も含めて、「暗誦に足る名文」(p.172)、格調高い文章も紹介されています。
高名な英文学者・翻訳家なのに偉ぶらないところに好感が持てます。ご自身の英語にまつわる失敗談もけっこう書いてあります。
英語を学ばれた方なら、「それ知ってるよ」という内容もあるかと思いますが、著者のやさしい語り口と、英語に寄せるやわらかい感性に、ついページをめくる手がすすんでしまう。そんな一冊ではないかと思います。